阪神ジュベナイルフィリーズ 予想

先週のチャンピオンズカップサウンドトゥルーの追い込みが決まっての勝利。

実況のラジオNIKKEIの山本直也アナウンサーが「豪脚一閃」と言い表していましたが、4コーナーを後方で内ぴったり回り、直線を向いてから外に持ち出しての強襲で、実況どおりの見事な後方一気でした。

この逆転劇を演出したのは先行勢。レース前の予想では、有力先行馬の引退で前を行く馬には楽な流れになるのではという見立てでしたが(それでコパノリッキーロワジャルダンを買っていました)、モンドクラッセ丸山騎手とアスカノロマン和田騎手は、序盤からはっきりと「スローペースには落とさない」構えで先行。予想とは逆の展開になってしまいました。

テンの3ハロン通過が36秒3、次の中盤3ハロンが36秒1。ダートの頂上決戦らしい消耗戦になってレース上がりは37秒7。終始ラチ沿いを先行していたとはいえ3着に粘ったアスカノロマンと、逃げ・先行勢を常に射程圏に捉えての横綱相撲からクビ差逆転を許した2着アウォーディーは中身の濃い競馬でした。

サウンドトゥルーは地方交流重賞などでは中団やや前目を進むことも多く、小回りコースを先行する有力馬に脚を使わされて小差届かず、といった結果になりがちだったのですが、今回は後方でじっくり構えて脚を溜める競馬。確かに展開は味方となりましたが、条件戦から乗り続けている大野騎手の肝の据わった騎乗が印象的でした。中京コースと馬との相性も特筆すべきで、昨年も後方一気から3着。着順の違いは直線で進路をみつけるまでのスムーズさの違いが大きかったでしょうか。

ゴールドドリームは出遅れと、その後無理に先行勢を追いかけたのが敗因。ちょっと良いところがなかったですね。

 

さて今週は阪神ジュベナイルフィリーズ

種馬より肌馬を重視しているので、あまり父系がどうのというのには普段から気にしていませんでしたが、今回の2歳女王決定戦は、ディープインパクト産駒も、キングカメハメハ産駒も、ステイゴールド産駒もいないG1レースになりました。

ディープインパクトの仔、ディープブリランテの産駒が3頭出ているなど、配合を見ていると新世代の種馬・肌馬の登場が目立つメンバー構成です。

ダービー馬ディープブリランテの仔は今のところ短距離戦での勝ち上がりが目立っていますが、これはディープブリランテの母方の良さが活かされていない馬が多いからという仮説を持っていまして、将来中長距離の本格派が登場する可能性はあるでしょうが、基本的には勝ち上がるのは短距離戦の先行馬が多数という傾向がしばらく続くと見ています。

今回それほど厳しい流れになるという予想はしていませんが、緩い流れのデイリー杯で4着だったディープブリランテ産駒ディーパワンサにとっては、経験済みのマイル戦とはいえ道中のペースアップはマイナス要素になりそうです。

 

一方で今回人気になっているリスグラシューとソウルスターリングの2頭は、共に中距離志向の強い血統馬。両馬とも前走は府中の広い直線で伸び伸びと走り勝っています。

リスグラシューはデビュー戦こそ2着に敗れましたが、その後2戦の連勝内容が濃いもの。前々走は平均ペースを前目で折り合うと、直線後続を突き放してレコード勝ち。前走はスローペースを中団で追走し、上がりの速い競馬での差し切り勝ち。この2戦ともフルゲートで、スピード能力の高さもそうですが、道中での立ち回りのソツのなさや勝負どころでの反応の良さが印象的です。

一方のソウルスターリングは土つかず2戦2勝。父が14戦無敗の怪物Frankel、母がG1を6勝のスタセリタという血統でデビュー前から話題となっていましたが、ここまでの2戦とも力強さを感じるフットワークでの差し切り勝ち。追えば追うほど加速するといった感じの差し脚で、ここまでの2戦はスローペースからの瞬発力勝負の要素が強く、まだ本来の得意な形は見せていないのでは。それでも連勝できているのは高評価。

阪神外回りのマイル戦ならば短距離志向の強い馬たちよりも、これら中距離馬の方を上位に取りたいところ。この2頭とも好素材とは思いますが、どちらかというと、今回初のフルゲート頭数でのレースになり、大跳びで距離短縮がやや不安なところがあるソウルスターリングよりは、リスグラシューの方が魅力的か。

 

他で気になるのは、これも連勝中のヴゼットジョリー。

こちらも中距離志向の強い馬で、夏場に1400m戦でデビューした時には、体もまだできていないのに短い距離では忙しすぎやしないかと思っていました。前走新潟2歳ステークスから3ヶ月開きましたが、これは悪くない選択では。稽古を充分に積まれ、おそらくは休み明けでも馬体重は減ってくるでしょうが、少々のマイナスなら適正体重の範囲でしょう。

逃げ馬の見える位置で、平均ペースからの抜け出しという形なら前述2頭を逆転まであるのでは。

 

もう1頭、こちらはスピードタイプになりますが、巡航速度に優れているレーヌミノル。稽古の動きがとても良いので、今回は距離延長と乗り替わりの不安は確かにありますが、無視できない存在。

 

◎ リスグラシュー

○ ソウルスターリン

▲ ヴゼットジョリー

△ レーヌミノル

 

馬券は馬連と三連複のボックスを考えています。

 

チャンピオンズカップ 予想

先週のジャパンカップキタサンブラックの逃げ切り勝ち。

好発を決めて早々に先頭に立ったキタサンブラックが、道中は極めて楽なスローペースでの単騎逃げ、残り800mぐらいから後続を突き放す形に。

キタサンブラックは上がりの決め手勝負を嫌うだろうという予想だったのですが、ここまで楽な逃げだと、上がり勝負でも余力充分でした。むしろ荒れ馬場の影響で後続の追い込みが効かず、ゴール前さらに差が開くような完勝。

一因はゴールドアクターの戦い方にあったかと。内枠のキタサンブラックの好スタートを見て、まったく競り掛けることなく内ラチ沿い3番手のポジションでじっとしていました。最後まで自ら動いてキタサンブラックに並びかけるような場面はなく、グランプリホースとしては寂しい消極的なレースになってしまいました。

そのゴールドアクターと道中は併走していたのがリアルスティール。想像よりもずっと前での競馬になった上に、4コーナーでは真っ先にキタサンブラックをねじ伏せに動いていきました。最後は脚が上がって5着に終わりましたが、これは距離不安が当たってしまった形。言ってみれば負けっぷりの良い5着。

ラストインパクトは不向きなスローペースになってしまい、終いも詰めきれず10着。もう6歳、G1制覇のラストチャンスぐらいに思っていたのですが、今回も残念な着順で終わってしまいました。

 

さて今週はチャンピオンズカップ

今週になって、ホッコータルマエの引退とタガノトネールの故障・安楽死というニュースが入ってきました。ホッコータルマエはG1を10勝の実績馬で出走していれば当然上位人気だったでしょうし、タガノトネールフェブラリーステークス6着、武蔵野ステークス1着。主戦場のダート1400m戦から距離を延ばしても面白い存在だと考えていました。この2頭が出走叶わなかったのは本当に残念。

また、強力先行馬2頭の不在ということで展開にも影響ありそう。

 

日曜日の天気は下り坂の予報でしたが、雨の降り出しは発走時刻より後になりそうです。

 

ダート転向後、土つかずの6連勝中のアウォーディーが人気の中心。

母の天皇賞ヘヴンリーロマンスからはここ出走のラニの他に、交流重賞を5勝のアムールブリエが出ており、現役の兄・妹・弟の3頭がダート戦線のトップクラスにいるという勢いのあるファミリー。

しかし、競走馬としてのキャラクターはきょうだいで結構異なっているようで、大跳びで不器用なラニが毎回追走に苦労して後方からの競馬になるのに対し、アウォーディーは前で受けても中団で構えても戦えるタイプ。

前走のJBCクラシックではホッコータルマエコパノリッキーをねじ伏せての勝利、今回の左回り1800m戦も問題なく、人気ですが最有力の1頭でしょう。

 

先行勢の顔ぶれがやや緩くなった感があるので、コパノリッキーの巻き返しにも警戒。

逃げにこだわる馬ではありませんし、今回鞍上のルメール騎手も好んで逃げるタイプではなさそうですが(ただ逃げた時は好成績・好配当の印象)、前半気分よく進めれば、前走からの距離短縮は好材料でしょう。

 

3歳馬ゴールドドリームは末の決め手を持った差し脚が魅力。

どちらかといえば湿ったダートのスピード比べの方が得意で、古馬との斤量差1キロでは今回はやや苦しいかと考えていたのですが、この中間の稽古の様子が抜群。

展開の助けは要りそうですが、スタート五分なら勝ち負けまで持って来れそう。

 

アウォーディー

コパノリッキー

▲ ゴールドドリーム

サウンドトゥルー

ロワジャルダン

 

ロワジャルダンは小回り向きと思っていますが、今回は馬が密集したまま直線に向くことも予想できるので、狭いところを抜けてこれるこの馬を買い目に含めてみようと思います。

馬券は三連複ボックスを中心に考えています。

はたしてどうなりますか。

ジャパンカップ 予想

先週のマイルチャンピオンシップは、本命視していたミッキーアイルの勝利。

序盤の動向がカギと見ていましたが、ミッキーアイルは好スタートを決めて意外なほどアッサリと先頭へ。前半4ハロン46秒1のペースで後続に脚を使わせる流れに持ち込めました。

4コーナーで1馬身半リードを保っていたので、これは馬券圏内には残るだろうと余裕を持って眺めていると、直線失速気味に。いったんネオリアリズムに交わされかかるも、どうにか踏ん張って先頭ゴールインしましたが、審議の青ランプが点灯。

VTRではミッキーアイルが外に斜行していたのが明らかだったので、確定するまでは内心ヒヤヒヤ、降着もありうると考えていました。(馬が外へ=左へヨレかかっているのに騎手が右ムチを連打していたのはいけませんね)

いつものあの「被害馬が加害馬に先着していた可能性を認めず」という判断で、結局入線順通りで確定。ワイドが当たりました。

審議部分の後味の悪さはありましたが、そこを除けば、なかなか面白いマイル王決定戦だったのではないかなと。昨年は勝ったモーリスの強さは発揮されましたが、ペースが中だるみしてライバルたちが力を出せたとは言い辛い面もありました。今年は各馬の巡航速度および、トップスピードの持続力が問われた一戦で、上級マイラー達の消耗戦になりました。最後レースラップは落ちましたが、走破タイムの見た目以上にタフな馬場だったのでは。

 

さて今週はジャパンカップ

今年の外国馬は3頭。一番日本の馬場に向いていそうなのは、昨年に続いての参戦になるイラプトでしょうが、昨年6着という成績を基準に考えると、斤量が増す今年にそれ以上の成績は望めないでしょう。

今年も日本の馬を中心に。

 

週中に雨・雪が降りましたが土曜日は快晴。日曜日も夕方までは天気が持ちそうで、良馬場でのレースになりそうです。ただし、芝コースは荒れ気味で、直線は内を空けての攻防になるかも。

ハナに行きそうなキタサンブラックはこの馬場ではラチを頼る競馬はし辛そうです。鞍上の武豊騎手はどういう作戦に出るでしょうか。府中の直線で決めて比べにはしたくないでしょうから、単純なスローペースにはしないだろうと読んでいますが。

 

注目は昨年2着の6歳馬ラストインパクト

休み明けを叩いて2戦目。今回、調教パターンを変えて調整してきましたが、動きはよくなっていると見ました。

昨年と同じ3枠6番で、キタサンブラックゴールドアクターの動きを見ながら進める好枠です。前半そこそこペースが流れれば、昨年以上の着順も。

 

休み明けの天皇賞が2着だったリアルスティールも注目。

叩かれて状態は前走以上に見えますし、折り合いや反応の面で成長が見られるので今回は楽しみ。

荒れ馬場での距離延長に不安はありますが、降雨がなければ克服できると見ます。

 

最後全馬の脚が上がるような展開になるならレインボーラインの浮上がありそう。

ディーマジェスティ菊花賞が単なる力負けではなかっただけに、巻き返しに警戒。

 

ビッシュとルージュバック牝馬勢は、脚がためられれば面白そうだったのですが、ともに前走減らした体をさらに細くしての出走になりそうで、ちょっと手を出しづらくなってしまいました。レース直前の気配まで注意して見るつもりでいますが、ここまでは残念な状況です。ビッシュのコース替わりなどは好材料と思っていたのですが。。。

 

ラストインパクト

リアルスティール

ディーマジェスティ

レインボーライン

シュヴァルグラン (展開の助けは要りそうだが嵌まれば)

ルージュバック、ビッシュ

 

馬券はワイド中心に考えていますが、ラストインパクトの人気がないのでこの単複は抑えようと思っています。リアルスティールは現在単勝5倍ありますが、締切近くではもっと人気になりそうなので、こちらはまだ悩み中。

さてどうなりますか。

 

マイルチャンピオンシップ 予想

エリザベス女王杯は上がり3F33秒2でクイーンズリングが差し切り、初G1勝利。

1000m通過61秒8、1200m通過が74秒4というかなりなスローペース。スタートで少々出遅れたクイーンズリングでしたが、内枠とこのスローペースを利して無理なく好位に取り付き、上がり勝負へ。直線先に抜け出したシングウィズジョイを猛追、捕らえたところがゴールでした。

運不運はあったでしょうが、デムーロ騎手のコース取りが一番の勝因のように見えました。

超スローペースを味方にしたシングウィズジョイが2着。逃げ馬の後ろのラチ沿いで立ち回り、あわやの場面を作ってみせました。

狙っていたミッキークイーンは3着どまり。直線外に出された後に反応しきれずに内にササったのは、ちょっと体力的に厳しくなったからでしょうか。地力は見せましたが、半年ぶりでなければもう少し上位に行けたかも。

マリアライトは序盤の不利もありましたが、このスローペース、この上がり勝負では6着敗戦も仕方のない結果でしょうか。

 

さて今週はマイルチャンピオンシップ

昨年のチャンピオン・モーリスと今年の安田記念勝ち馬・ロゴタイプが不在で、主役不在のようなメンバー構成に。

今のところ、スワンステークスを差し切ったサトノアラジン単勝1番人気ですが、かなり割れた人気。

土曜日に雨が降っていた淀の芝コースですが、稍重発表ながら速い上がりの決着もありました。日曜日は晴れて気温も上がりそうで、高速決着の良馬場になりそうな気配です。

 

注目はミッキーアイル

昨年の安田記念以来のマイル戦ですが、今年の高松宮記念は2着、さらにスプリンターズステークスも2着。古馬G1でもあと一歩のところまでは来ています。マイペースで逃げても勝ちきるまでに至らなかったのは、テンのスピードが乗るまでに少々時間がかかるからでしょうか。

距離は延長となりますが、スプリント戦と比べてハナに立つまでに消耗する度合いは小さく抑えられるでしょうから、今回は粘り切れるマイペースになるのでは。

休み明けだった前走より、稽古の動きも良さそうに見えますし、今回のメンバーなら競り掛けてくる馬もいないはず。

 

相手で面白いのはガリバルディ

前走富士ステークスは脚を計ったような競馬で、道中後方から大外をついての5着どまり。そもそも3か月ぶりの実戦で、サマーマイルシリーズに目もくれず、マイルチャンピオンシップを目標においてのローテーション。納得ずくの敗戦のはずです。

淀の坂の下りで勢いをつけての直線勝負はこの馬にあっていると思うので、前半うまく立ち回ればチャンスありとみました。

 

ミッキーアイル

ガリバルディ

ウインプリメーラ(先行力注目)

フィエロ、ネオリアリズム、サトノルパンマジックタイム

 

馬券はミッキーアイルからのワイド・三連複流しを考えています。

 

エリザベス女王杯 予想

先週のブリーダーズカップフィリー&メアターフは Queen's Trust がゴール前 Lady Eli をハナ差かわして優勝。フランキーのここ一番での勝負強さを見せつけられました。

対抗・本命で決まったのですが、馬単の裏を買っていなかったので悲しいハナ差。ワイド的中でトントンにはなりましたが残念でした。

 

さて今週はエリザベス女王杯

連続開催の6週目で淀の芝コースも徐々に時計がかかるようになってきましたが、好天で良馬場でレースを迎えられそうです。2分12秒を切るぐらいの決着になるでしょうか。

 

昨年の覇者、マリアライトは牡馬相手に宝塚記念を制したように、ここでは力が一段抜けた存在。ですが、基本的に道悪馬場で強いタイプで、稍重発表で時計がかかった昨年と比べると、この馬にとっては条件は悪い。

さらに、この中間の稽古が軽めで、体力を絞りつくすような戦法がとれるのかどうかも少々疑問です。陣営のコメントからは読み取れませんでしたが、秋の目標はここではないのかも。

実績力量を認めても中心視はしづらい馬です。

 

去年の秋華賞ミッキークイーンは、ここが半年ぶりの実戦。

春は目標をヴィクトリアマイルに置いたこともあって、マイル戦2戦をともに2着の戦績でしたが、この馬の主戦場はこの中距離戦。淀の芝コースは内回りの秋華賞しか経験がありませんが、上がり4ハロンストライドを充分伸ばせる外回りコースの方が向いていると思われます。

心配なのは馬の状態だったのですが、坂路で好時計の追い切り。これならば力は出せそう。

 

休み明けの府中牝馬ステークスを馬体重を減らしながら勝ったクイーンズリングは、反動が出たのか中間稽古が軽め。状態は前走の方が上でしょうか。

その府中牝馬ステークスでは惨敗だったシャルールですが、不慣れな逃げ戦法で目標にされてのもの。今回は番手以降の競馬になりそうですし、距離延長も問題なし。ヴィクトリアマイルでも狙って結果殿負けでしたが、もう1回狙ってみます。

 

ミッキークイーン

○ シャルール

デンコウアンジュ (荒川厩舎に三嶋牧場ゆかりの牝系は穴血統)

△ プリメラアスール (逃げ粘り警戒)

△ ヒルノマテーラ (中1週は厳しいが)

マリアライト

 

馬券はミッキークイーンからワイドと、ミッキークイーンマリアライトからの三連複流しを考えています。

 

 

天皇賞・秋 雑感

先週の天皇賞・秋は直線早めに抜け出したモーリスが後続に0秒2差つけての勝利。

香港での2勝を含めG1競走5勝目を挙げました。

 

前半1000m通過が60秒8。エイシンヒカリのマイペースにせよ、これに何かが絡んでゆくにせよ、スローペースにはならないと予想していただけに、これには驚きました。

去年のこのレースでは、クラレントの田辺騎手がハナを叩きスローペースに持ち込んでエイシンヒカリの持ち味を殺しただけに、エイシンヒカリ武豊騎手は今回こそは(国内ラストランとの話もありましたし)それなりのラップを刻んでゆくと読んでいたのですが。

昨年より時計のかかる馬場コンディションではありましたが、去年が1000m通過60秒6。数字上はそれよりも遅いペースで道中は団子状態。

4コーナーまで一団でゆっくりと回ってきて、上がり3ハロンでようやく11秒台を並べるような競馬になり、直線入り口で4番手外にいたモーリスが早々に単騎で抜け出すと、外に外に進路をとりながらゴールへ。

中団から上がり最速タイで伸びてきたG1馬リアルスティールが2着、後方からこちらも上がり最速タイで鋭進してきた昨年2着馬ステファノスが3着と、上位の顔触れには文句がないのですが、なんとなく物足りなさも残る天皇賞でした。

 

ただリアルスティールについては、追われて鋭く反応するようになっていましたし、坂を上がっても力強く真っ直ぐ伸びていたところには成長の跡を感じました。休み明けでこの出来なら、次走が楽しみです。ジャパンカップでしょうかね。

 

 

さてさて今週はJRAのG1はありませんが、ブリーダーズカップフィリー&メアターフの馬券発売が。

昨年の中山記念以来勝てていないヌーヴォレコルトが北米芝に活路を求めての遠征。ですが、近走の出来を見ても、ここのメンバーを見ても、道中前目のポジションをとれなさそうで、粘りを活かせるようなレースにはならないかなと。

巡航速度があって終いもしっかりしている Lady Eli は、臨戦過程も良くここは勝機。

相手はスタウト調教師・デットーリ騎手の強力コンビの Queen's Trust と、ここ2戦の連敗で人気を落としすぎのきらいがある Catch a Glimpse の両3歳馬。

 

◎ Lady Eli 

Queen's Trust 

▲ Catch a Glimpse

 

馬券は人気でも Lady Eli の単勝と、馬単三連単を考えています。

この時間にこれを書いていてレース発走時刻(日本時間4時43分)に起きていられるのか疑問ですが、先に馬券を買っておきます。

はたしてどうなりますか。

 

天皇賞・秋 予想

先週の菊花賞サトノダイヤモンドの快勝。ディーマジェスティマカヒキと併せ3頭のディープインパクト産駒が三冠を分け合う結果になりました。

序盤ミライヘノツバサが引っ張って急流となり縦長の展開に。中盤はグッとペースが緩んで団子状態に。終盤、坂の下りから団子状態のまま全馬加速、争うように最終コーナーへ突入して直線勝負に。先行集団の後ろで終始スムーズに流れに乗れていたサトノダイヤモンドが上がり勝負を制して、2着に0秒4差をつけてゴールインしました。

注目していたディーマジェスティは4着。サトノダイヤモンドの後方外目をマークするように追走していましたが、2周目坂を力まず加速して下って行ったサトノダイヤモンドに対し、ディーマジェスティはおっつけながらライバルの外に被せに行く格好になってしまいました。

4コーナーの回り方もサトノダイヤモンドの方がスムーズで、その位置でも内ラチから5~6頭分外ですから、さらに外のディーマジェスティは相当な距離を走らされていました。こうなると直線平坦の京都では目標を捕まえきれず、最後は自身の脚も鈍って4着に。ちょっと不格好な残念なレースになってしまいました。

勝ったサトノダイヤモンドは緩んだ中盤に折り合いがしっかりとついてじっと我慢できていました。ちょうど、ゆったり流れた中距離戦のようなイメージで競馬をすることができ、持ち前の末脚を繰り出すことが出来ました。今回は完勝。

次はどこを目標にするのかまだわかりませんが、この馬はやはり中距離馬のように見えるので2000m戦の香港カップなら面白そうです。

一発あるなら、と期待していたレインボーラインが2着。後方待機から直線大外をよく伸びてきました。前からうすうす感じていたのですが、この馬は父のステイゴールドの現役時代のキャラクターと重なるものがありますね。今回は難しい流れのレースだったと思うのですが、そういう時に浮上してきて、そして惜しくも勝てはしないあたりが。ハナハナクビアタマと5頭がタイム差なしで入線したアーリントンカップの着順が僅かでも狂っていたら、この馬も重賞タイトルを獲るのに相当苦労することになったかもしれませんね。

以後も、相手関係に関わらず、厳しい流れになった時に馬券圏内に突っ込んで来そうです。

最後に、こちらはマイラー色が強いにも関わらず3着に入ったエアスピネル

武豊騎手の手綱さばきが素晴らしかった。外目の13番ゲートを出てから、あっという間に逃げ馬の後ろの内ラチ沿いに入り込む動き。それから、最終コーナーをまわってから内回りコースとの合流点を駆け抜けて馬群を抜き去る動き。前者は、エアスピネルの大叔父のエアシャカールの時とそっくり。後者は、エアシャカールの以上に難しいことをこなしてみせました。

毎年菊花賞の時にエアシャカールの話を持ち出す身としては、この馬を拾って馬券を獲りたかったですねぇ。

 

さて今週は秋の天皇賞

モーリス・エイシンヒカリリアルスティールと、今年海外のG1を勝ってきた馬が揃ってなかなか豪華なメンバー。

1枠1番を引いた武豊騎手のエイシンヒカリは序盤から押し出してゆくでしょうが、この有力馬のマイペースを嫌って田辺騎手のロゴタイプあたりが絡んでゆけば乱ペースになるかもしれません。

 

道中ハロン11秒台のラップがずっと続くようなレースとなると、ちょうどジャスタウェイが勝った2013年の時のように、道中消耗を強いられながら長く良い脚を使える馬が浮上するのでは。

となると、昨年の覇者のラブリーデイはちょっとイメージから外れます。確かに平均ペースのレースでも実績はありますが、道中スローペースの集団から一気に抜け出す脚がこの馬の長所。今年は昨年より調子を落としているところを見ると、今回は苦しいかもしれません。

 

自らの型にこだわって押し通してしまえば、ということでまず注目はエイシンヒカリ

連戦でパフォーマンスを落とすようなところのある馬なので、4ヶ月半空けてのぶっつけ本番は悪くないと思います。

稽古の動きは抜群とは見えませんでしたが、態勢は整っているのでは。

距離の2000mを少し長いと見る向きもありますが、よほど厳しい展開でなければこれは問題ないと思います。むしろ、勝ち時計がかなり速いようだと苦しくなるだろうという見立てなのですが、土曜の晩に降った雨がその心配を流してくれたようです。

 

ジャスタウェイがその後ドバイデューティーフリーを勝ったのとは逆に、デューティーフリー改めドバイターフを勝ってここに臨むリアルスティールにも注目。

前目につけて、早め先頭から長く良い脚をつかって勝ち切ったドバイターフのように、今年に入ってのこの馬は序盤に前目のポジションが取れるようになっているのが好材料ロゴタイプの田辺騎手にスローに落とされて折り合いを欠いてしまった安田記念は残念でしたが、今回はそこまで遅くは流れない予想で、それならば勝機。

予定していた毎日王冠の出走を取りやめてここに直行となったのは気になりますが、こちらも体はできているようです。

 

モーリスにとっては距離が不安になりますが、11秒台のラップが続くようなペースは慣れたものですから、これも争覇圏内。

一方でルージュバック外厩での調整で狂いが出たのか、かなり馬体重を減らしての出走になりそう。牡馬相手の2000m戦では距離も不安で、今回は軽視します。

 

他では4枠の2頭。今年はプレップレースを使えたアドマイヤデウスと、長めの距離を使われながら2000m戦重賞3勝のサトノノブレスは一発の魅力があります。

 

エイシンヒカリ

リアルスティール

▲ モーリス

アドマイヤデウスサトノノブレス

 

馬券は三連複ボックスなどを考えています。

 

秋の天皇賞の1枠1番の逃げ馬に武豊騎手、1998年のことを思い出してしまいます。

はてさてどうなりますか。

 

菊花賞 予想

秋華賞は直線外から伸びたヴィブロスの快勝。

前半59秒9と馬場を考えるとかなり遅い流れ。3~4コーナーから速くなり、淀の内回りを加速しながら進むための器用さが求められる競馬でした。

とはいえ勝ったヴィブロスは、前後に分かれた馬群の後方馬群の先頭付近に道中は位置。内へも外へも自由に出せるポジションで、前の馬群は適度にバラけていて、器用さ以前にかなり理想的な展開でした。

ヴィブロスより後ろの位置だとちょっと届きそうにない感じで、1番人気のビッシュはいろいろな不安点が一度に吹き出てしまったように10着惨敗。道中後方から3コーナー坂の上りで外をついてヴィブロスの傍まで上がって行ったのですが、まわりもペースアップしている場面で外を回った分、直線は脚が残っていませんでしたね。

ヴィブロスと同じような位置で競馬していたジュエラーは、直線内を突くも4着まで。やはり力のある馬で、体調が万全だったなら。。。

流れが遅いと見るや早めに前につけていったカイザーバルの四位騎手が好騎乗で、これが3着粘り込み。あんまり考え込まずに出走表見てすぐに買い目決めたら、カイザーバル・ヴィブロスのワイド買えていたな、、、という残念な結果でした。

 

さて今週は菊花賞

相変わらず速い時計の出る淀の芝コースで、外よりは内枠の方が有利でしょうか。

その内枠に人気の2頭、サトノダイヤモンドディーマジェスティが入りました。

 

ダービー2着のサトノダイヤモンドは秋初戦の神戸新聞杯を勝ちはしましたが、ミッキーロケットにかなり詰め寄られての勝利でした。休み明けの分と、直線急坂の阪神コースの分、苦戦した格好ですが、やはりこの馬は2000mを超える距離では力を発揮しづらいのではないでしょうか。

今回京都コースに替わるのはプラスですが、さらに距離を延ばしての3000m戦では期待よりも不安の方が大きいです。

 

一方のディーマジェスティセントライト記念を後方からのマクリで他馬をねじ伏せました。同じディープインパクトの仔でも、例えば同じレースを走っていたプリディガルサンが直線伸びかかるも急坂で失速したのに対し、こちらはパワー充分。坂でも勢いそのままで、後ろを突き放しました。(唯一食い下がったゼーヴィントが今回不在なのは残念)

こちらは京都へのコース替わりはプラスとは言えませんが、距離延長は問題なし。流れが向かなくても外から3着に追い込んだダービーを考えに入れると、淀の3000mではサトノダイヤモンドよりはこちら。

 

阿寒湖特別でマクリ圧勝してみせたカフジプリンスが穴人気していますが、札幌で追われて追われて大外進出、というレースぶりはどうもイメージと合わない。菊花賞としてはエアシャカールのように、終いの脚を残しつつ外目を上がれるスピードが欲しいところ。追って追っての叩き合いならディーマジェスティ以下、もっと強そうなのがいそうなので、今回は軽視します。

 

それならば神戸新聞杯でカフジプリンスに先着しているレッドエルディストの方が面白そう。キレのある末脚を見せるタイプではなく、展開次第でなだれ込む当てにしづらいタイプではありますが、淀の長丁場に替わって、坂上から加速しながら直線へというレースは、この馬に向いていると思います。

 

アーリントンカップ勝ち馬でNHKマイルカップ3着のレインボーラインは距離実績はありませんが、トップスピードの持続力に優れ、古馬相手の札幌記念でも良い末脚を見せていました。さすがに3000m戦でどんとこいというタイプではないでしょうが、折り合いはつくので距離延長もマイナス分は少なく済むのでは。一発あるならこの馬か。

 

他では、反応が鈍そうなのは相変わらずも、京都なら終いが活きそうなプロディガルサンと、角居厩舎らしく長距離向きに仕上がってきたサトノエトワールの粘り込みに注目。

配合を見て距離が向きそうと思うのはイモータルなのですが、熱くなりすぎる性格がネック。

 

ディーマジェスティ

○ レッドエルディスト

レインボーライン

△ プロディガルサン、サトノエトワール

サトノダイヤモンド

 

ディーマジェスティがもうちょっとテンのスピードを持っていれば単勝勝負なのですが、どうもそういうイメージがつかないので、ワイドか三連複勝負にします。

はたしてどうなりますか。