天皇賞(秋) 注目馬

第132回 天皇賞(秋)(netkeiba.com)
天皇賞(秋)プレレーティング(JRA)


国内芝中距離路線の最高峰、天皇賞(秋)です。毎年、マイル路線・中長距離路線の両方の実力馬が揃って、速さと逞しさを試されるレースです。ある意味、種牡馬選定レースとしては、現在、ダービー以上の価値があるレースかもしれません。


天候が微妙ですが、良馬場でレースが行なわれれば、例年通り1分58秒代の決着になると思います。タップダンスシチーが先行勢に加わる以上、スローペースにはならず、(ストーミーカフェが暴走してしまったら大きく変わるでしょうが)前半1000mを58秒、後半1000mを60秒程度で走破する、厳しい消耗戦になると予想します。


注目馬は、マイラー寄りの馬にしろ、ステイヤー寄りの馬にしろ、息を入れにくい流れの中距離レースで時計勝負をこなせる馬という点を重視して選んでみました。


まずはホオキパウェーブ菊花賞2着の実績がありますが、距離は2000〜2400m戦の方が向くと思います。レコード決着のセントライト記念の2着など、ハイペースの削りあいの消耗戦は得意とするところです。
前走のオールカマーは時計も平凡で2着とのもタイム差もありませんでしたが、実況を見ていた感じではかなり楽に勝ったように見えました。これまでソエなど脚に不安があった馬でしたが、それが解消されて動きが素軽くなってきました。オールカマー稍重馬場でしたが、良の硬い馬場と比べればクッションがきいて消耗が少なくて済んだのではないでしょうか。賞金を加えてここを目標にじっくりと調整できたのもいいことです。
なにより幸運なのは、鞍上に藤田騎手が復帰したこと。札幌の新馬戦の手綱をとった藤田騎手は当時からこの馬の素質を高く評価していました。セントライト記念の後、藤田騎手のケガがあって菊花賞は横山(典)騎手でしたが、この馬と一番手が合うのは藤田騎手ではないかと思います(陣営ははじめ、柴田(善)騎手に依頼して、断られたようですよ)。


続いてはスイープトウショウ。スローペースで極端な上がりの決め手勝負になった毎日王冠好走組は、本番で疑ってかかる必要があると思いますが、逆にその毎日王冠で6着と敗れたこの馬には本番での逆転の目があると思います。昨年の秋華賞や、今年の宝塚記念で証明したように、厳しい流れになってもこの馬の末脚は鈍りません。ただ、前走も本馬場入りを嫌って立ち止まってしまったように、ゲートに入るまでにいつも何かケチをつけてまわるのがこの馬の悪いところ。順調にゲートを出てくれれば良いのですが。。。


休養あけ初戦の馬が多いですが、消耗戦となると最後のひと踏ん張りに影響が出てくると思います。ゼンノロブロイタップダンスシチーら実績馬は当然無視はしていませんが、評価を少し下げたいと思います。休みあけの馬では、人気薄で消耗戦に強そうな馬として、ハーツクライスズカマンボに注目します。スズカマンボは3200mの春の天皇賞での人気薄の勝利がフロック視されて、ここでも人気薄になっていますが、萩Sレコード勝ちなどの実績があり、中距離の時計決着にも対応できると思います。ハーツクライは、究極の消耗戦になった昨年のダービーで、そのスズカマンボ(5着)に先着(2着)。ダービーの上がり3ハロンはこの2頭が出走馬中1位・2位を占めていました。


最後に武豊騎手騎乗のリンカーン京都大賞典は決してレヴェルの高いレースだったとは思いませんが、前哨戦を予定通り使え、しかも勝って本番へ順調に来れたことで評価を上げました。昨年は休みあけで惨敗しましたが、今年の宝塚記念ぐらい走れば馬券圏内も不可能ではないと思います。鞍上込みで期待します。