スイープトウショウ (エリザベス女王杯)

エリザベス女王杯は、掲示板に載った5頭のうちGI勝ち馬が4頭、残る1頭が昨年の同レース2着馬という、頂上決戦での実績がものを言ったレースになりました。勝ち馬は、


スイープトウショウ (Nasrullah/Hyperionちゃん)
牝4 2001/5/9生 父エンドスウィープ 母タバサトウショウ
牝系 F.No.〔5-j〕 セヴアイン(1921・米)来日より9世代目


京都の芝2200mコースと言えば、最初のコーナーまでの距離が充分あるので、早めに隊列が決まりまぎれや不利の少ないコースという印象がありました。ところが今年のエリザベス女王杯では、その最初の1コーナーでアクシデントが発生。後方馬群が内よりに固まり、ぶつかったり行き場をなくしたりする馬が続出しました。この真っ只中にいた1番人気・エアメサイアは後ろから3番手に、3番人気・ヤマニンアラバスタがほぼ最後方に押しやられてしまいました。「溜めに溜めた(池添騎手・談)」女王・スイープトウショウ(単勝2番人気)より後ろからではこの2頭の勝機は残されていませんでした。


レース中の不利が、人気馬2頭の直接の敗因になってしまいましたが、パドックの時点からその予兆はありました。
初めての古馬とのレースに臨むエアメサイアは、前走での堂々とした姿とは違い、どこか落ち着かないような感じがしていました。一方のヤマニンアラバスタの方は、懸念材料だった馬体重がマイナス4キロでの登場。プラス体重での登場もあり得ると予想していましたが、4キロという数字以上に細く見えました。


他方、勝ったスイープトウショウは、パドックでものんびりと周回し、馬場入り、ゲート入りも順調(前走までのはなんだったのでしょう?)。スタートも上手くはありませんでしたが、すぐ中団につけられて狙い通りの競馬ができたではないでしょうか。
オースミハルカと川島騎手の絶妙な逃げ(見た目は大逃げでしたが、馬にとってはオーバーペースではなかったと思います)に対しても、鞍上・池添騎手は動揺せずいつもの戦法を徹底しました。逃げ馬にしても追込馬にしても、池添騎手は際立った武器のある馬に乗せると、本当に肝の据わった騎乗ができますね。


結果、強い馬が強い競馬をして勝ったので、見ていて満足度の高いレースでした。


気になった馬をもう2頭ほど。
長期休養あけで4着に入ったヤマニンシュクルは、大善戦したといえるのではないでしょうか。実戦の流れから置かれてしまうこともなく、休養前のとおりの競馬ができていたことは驚きでした。この馬はマイル戦でも中距離戦でもこなしますし、2歳GIのタイトルは別定戦でもあまり響きませんから、これから復活の勝利を挙げることもおおいにあり得るのではないでしょうか。
もう1頭注目していた外国馬サミットヴィルは、日本のペースに鞍上がついていけずに惨敗でした。同じく先行すると目されていて、テンの脚が鈍かったマイネサマンサルメール騎手が、(折り合いがつかなくなったせいもあるでしょうが)向こう正面で位置を上げ、いちかばちかの勝負に出たのとは対照的でした。