ジャパンカップ 注目馬

第25回 ジャパンカップ 枠順 (netkeiba.com)
ジャパンカップ プレレーティング (JRA)


今回のジャパンカップには、世界の芝競馬のトップクラスの馬を呼ぶことができたと思います。馬券を買う際には日本の競馬に合う・合わないという問題や、長距離の遠征による体調面の不安を考慮に入れますが、本当によく来日してくれたものだなと敬意を表したいです。(まあ、日本での繁殖入りの顔見世だとか、香港のレースへのステップだとか、事情はあるのでしょうがね。。。)
翻って国内組のメンバーを見渡すと、ディープインパクトがいない、昨年の菊花賞1・2着のデルタブルースホオキパウェーブが除外、一応大将格のゼンノロブロイは今年未勝利という有様で、日本代表とするにはかなり不満の残るメンバーになってしまいました。国内の古馬中長距離GIで波乱決着が続いているという事情はあるにせよ、これではジャパンカップが国内最高峰のレースとは言えないでしょう。今年の国内G1を勝った馬が、13番人気で天皇賞(春)を勝ったムラ馬・スズカマンボと、超スローペースの展開に恵まれて14番人気で天皇賞(秋)を勝ったヘヴンリーロマンスしかいないというのでは、日本の競馬のメンツがたたないと思うのですが、如何でしょう、JRAさん。
かつての有馬記念のような、主催者推薦枠を設けるのもひとつの手では?


・・・というような思いもあって、今回は外国馬に注目することにしました。
ストーミーカフェ陣営が持久力勝負型の先行策をとるようなことを言っていますが、距離不安から菊花賞を回避したこの馬が、天皇賞(秋)から2ハロン延びるこのレースでそれができるかどうかは疑わしく思います。うまくレースを作るより、テレビ馬的暴走に終わるか、他馬にハナを譲って中団で淡々と周回するかのどちらかになる可能性の方が高いのでは?
タップダンスシチーも昨年・一昨年の出来にあれば、ハイペースの先行策に勝機を求めるのでしょうが、どうもかつてとは別馬として考えた方がよいと思います(陣営は強気なようですが)。
この2頭を考えると天皇賞(秋)に引き続きスローペースの可能性も否めないのですが、コスモバルクビッグゴールドもいて、更にキングスドラマが加われば、先行集団は遅くはならないと予想します。


注目馬は、まず昨年の凱旋門賞馬・バゴを推します。引退後の日本での種牡馬入りが決まっていますが、ただの顔見世行脚の旅ではないと思います(ピルサドスキーのように、ここで走って、産駒がダメというパターンになりそう)。前走は湿った馬場に泣かされたようですが、東京なら持ち味のスピードを発揮できるでしょう。芝Cコースは直線インが開かずに差し馬が大回りをさせられることがありますが、最終週でインが荒れ気味の今なら、脚質による有利・不利はないとみて、差し切りに期待します。


続いては昨年の欧州年度代表馬ウィジャボードを。この後に香港遠征を控えていて勝負度合は一息のようですが、能力を買って推します。遠征の経験も豊富ですし、出遅れがなければ末脚を信頼できると思います。


さらにはベタートークナウ。その強烈な末脚は日本の馬場でも(いや、日本でこそかも)発揮できると思います。「フサイチ」の関口氏がこのレースのためにレンタルしてきたとのことで、JRAは感謝状のひとつでも関口氏に贈るべきでは?
直線勝負にかけるようなので展開に左右されるかもしれませんが、個人的には日本で走るところを見るのを一番楽しみにしている馬です。幸い、この馬の怖さを知っているキングスドラマが先行集団にいて、直線までに充分なリードを取るべくレースを引っ張れば、その分追走も楽になるでしょう。
そのキングスドラマも展開ひとつで粘りこめるかもしれません。これまでのジャパンカップでは、外人騎手がユタカ・タケの馬や日本の大将格の馬を徹底マークしてしまい、かわりに前を行く馬に楽をさせてしまうということが何度か起きています(タップダンスシチーやインディジェナスなど)。過去のレースの映像では、並ばれてからしぶといところを見せていたので、前残りを警戒しておきます。


日本勢の一番手はやはりゼンノロブロイでしょうか。帰国後初戦の前走より調子が良さそうですし、今年未勝利でも能力に衰えが見られるというわけでもなく、陣営も負けられないと思っているのでは。ただ、負けられないレースで取りこぼすのがこの馬のキャラクターになってしまっているので、買うなら抑え程度になると思います。
あとはアドマイヤジャパン。今回、横山典弘騎手がどんな作戦をとってくるのか見当がつかないのですが(ここ2戦のように1頭前に置いて番手キープ→ロングスパートというのは今回はできないような気がするので)、日本勢の中ではこの馬が一番「いい競馬」をしてくれそうなので、ギャンブルとは別な意味でとても楽しみにしています。



・・・話はかわりますが、来週のステイヤーズステークスにはデルタブルースホオキパウェーブ菊花賞1・2着組に、サクラセンチュリーが出てくるようですね。来年の春の天皇賞を占う上で、早くも最重要ステップレースになるかも?