カネヒキリ (ジャパンカップダート)

ジャパンカップダートは決勝線を3頭が並んで入線するという大激戦。ハナ差で栄冠を勝ち取ったのは1番人気の3歳馬でした。


カネヒキリ (Mahmoudちゃん)
牡3 2002/2/26生 父フジキセキ 母ライフアウトゼア
牝系 F.No.〔2-s〕 ライフアウトゼア(1992・米)来日より2世代目


戦前の予想通り、スタートしてから向こう正面まで激しい先行争いがあり、レースは淀みなくハイペースで進行しました。勝ったカネヒキリは、前走のような出遅れはありませんでしたが、連勝時と比べるとやや後ろ目からの競馬。3コーナーあたりから外外を進出し、4コーナーでは先団にとりつくも内から6頭目の大外というポジション。コーナリングで内ラチ沿いの馬からは置かれる格好になりましたが、そこからあっという間に前を捕まえて残り200m手前で3頭併せに持ち込み、そのままゴールへ。出遅れた前走の武蔵野ステークスでは意外と粘りのない競馬をしていたのでやや評価を落としていたのですが、今回は古馬との2キロの斤量差を考慮しても強い競馬をしたと思います。


ただ、結果に対しては素直に賞賛しますが、クロフネのようにもう一段上の舞台での活躍を予感させる走りだったかというと、違うように感じました。実際、今回の結果をうけて外野からは海外遠征の期待なども叫ばれているようですが、武豊騎手・角居調教師ともに慎重な姿勢をみせています。



世界へと夢が広がる勝利だ。だが武は「世界で走るにはパワーが必要」と話した。角居師は「現状ではアメリカやドバイのダートは厳しい。欧州の芝も考えたいが、オーナーと相談してから」と今後については明言を避けた。これからも成長が見込めるだけに慎重な姿勢を崩さない。(ニッカンスポーツ)


「欧州の芝」という文言が出てきて一見夢を感じさせますが、裏を返せば「中央の芝」「地方のダート」への適性にやや不安を感じているということではないでしょうか。より適距離と思われる川崎記念東京大賞典ではなく、次走にフェブラリーステークスを予定しているというのも、そのせいかなと勘繰っているのですが、考えすぎでしょうか。。。


惜しくも2着に終わったシーキングザダイヤですが、東京コースとの相性が良かったのでしょう、先行馬が次々と後方に沈む中で唯一2、3番手からの競馬で勝ち負けに加わりました。普段は森厩舎の先輩のノボジャック・ノボトゥルーのあとをうけて地方交流重賞巡りをしていますが、昨年のフェブラリーステークス2着、今年の南部杯2着のように、カーブの緩いコースでこそ実力を発揮できる馬で、ここは是非ともタイトルを獲っておきたかったところでしょう。鞍上共々、勝ち運に見放されているというかなんというか。。。