「カク地」馬で穴馬券を拾う

一杯追さんの「カク地」についてのエントリは、僕も普段感じていたとおりだったし異論はないのですが、たまたま先週「そうではない希少な例」で当たりを拾ったので、馬券圏内に入ってくる「カク地」を何とか狙って拾えないものか考えてみました。
公営所属馬の馬主にとって、「カク地」で中央に出走してくる一番の魅力は、やはり賞金の高さではないでしょうか。平場の500万下条件で5着に敗れたとしても、場合によっては地元で1つ勝つより多い賞金が手に入ります。JRA所属馬を蹴散らして勝利となればもっと多額の賞金が手に入りますが、アウェーで勝ちを狙いに行って大敗するよりは、賞金圏内を死守した方が現実的な戦い方なのかもしれません。
そう考えるのが正しければ、勝ち負けを意識して出走してくる馬はもともと少なくなるわけで、実際馬券圏内に「カク地」馬が入ることも滅多にないのですから、ハナから「カク地」馬などいないものとして馬券の検討をしたほうが効率的だと思います。。。ですがもし3着以内に来ればたいていは高配当が望めるのですから、狙いどころがわかればこれは美味しい。


僕が先週獲ったレースは土曜日(2/4)東京の9レース春菜賞。3歳500万下条件の牝馬限定戦。芝1400mに16頭が出走、うち2頭が「カク地」馬でした。
現級で2、4着の実績のあるマイネジャーダ、年末に新馬を勝って以来の出走で半姉にリトルオードリーがいるモンプティクール、川崎所属で前々走のひいらぎ賞でマイネジャーダ(4着)にタイム差なしの5着だった「カク地」馬チェリームーンあたりが人気どころ。カイシュウタキオンやブラックバーズピンあたりと勝ち負けの競馬をしていたマイネジャーダはそれなりに走りそうですが、「ここは通過点、オープンに入っても楽しみ」と言えそうな馬は見当たりません。
そこで狙ったのは船橋所属の「カク地」馬、クリムゾンルージュ。名前があかあかとしていて見覚えがあったので調べたところ、昨夏のラベンダー賞モエレジーニアスの3着に来た馬だということがわかりました。(最終オッズでは単勝7番人気)
南関競馬は普段やらないのですが、イメージだけでいうと4場のレヴェルは大井・船橋--川崎--浦和という序列だという思い込みがありました。ところが、どうも最近は船橋勢が大井勢をしのぐ勢いらしいということをネットで見知っていたので、新聞の「船橋」の文字に目が止まったという次第。
クリムゾンルージュは道営競馬でデビューしましたが、今は船橋の名門・岡林厩舎所属で今回が転厩2戦目。同厩舎所属の左海誠二騎手が前走に引き続いて騎乗しました。ちなみにもう1頭の「カク地」馬・チェリームーンは川崎・佐々木仁厩舎所属。地元では酒井忍騎手が跨りますが、当日は大井の内田博幸騎手が乗りました。
「カク地」2頭を比較すると、芝実績から言っても、騎手が「手の内に入れている」度合いから言っても、クリムゾンルージュがチェリームーンに劣っているとは思えないのですが、買われているのはチェリームーンの方。おそらく内田博幸騎手人気がオッズを押し上げているのでしょうが、左海騎手の方だって中央でも充分信頼がおけます(後で調べたところ、JRAではまだ4勝ですが、うち3勝が重賞でした)。
中央所属の馬に軸として信頼の置けそうな馬もいなかったので、クリムゾンルージュ本命で買ったところ、これが2着に入って複勝5.5倍、馬連137.9倍の配当。「大波乱」までは行きませんでしたが、狙って獲った馬券としては充分な配当がありました。


では、このクリムゾンルージュから、「買いの要素」となりそうな点を拾ってみると。。。


・道営から南関に転厩
・船橋の名門厩舎所属
・地元の主戦騎手が騎乗
・騎手の地元・中央実績が共に良い
・芝コースで好走の実績あり


こんなところが挙げられるでしょうか。実際には、一番重要視したのは「相手関係」だったりするのですが、これは他と比較しづらいのでいったんパスします。


では、他の「走ったカク地馬」を見てみると・・・サンプル探すの大変!
仕上がり早でレース経験の豊富な道営馬が夏の北海道の2歳戦で活躍しているのはわかったのですが、この場合はなかなか高配当になりづらかったりしています。それなので2歳戦は抜きにして考えていきます。
現3歳〜6歳世代で、2歳戦を除いて、カク地として中央競馬で3着以内に入ったことのある馬は、次の17頭です(地道に数え上げたのですが間違いがあるかもしれません)。












































































































































































馬名 所属 道営デビュー 地元名門厩舎 主戦騎手か否か 騎手のJRAでの実績 中央の芝/ダートの経験
クラキングレディ 道営
ペガサスホープ 道営
ナチュラルナイン 道営/船橋
エアムートン 船橋 ×
トーシンブリザード 船橋 × ×
ドラゴンシャンハイ 船橋 × ×
ベルモントギルダー 船橋 × ×
アヤパン 大井 ×
ティーケーツヨシ 川崎 × ×
タイガーロータリー 高崎 ×
ヨシノイチバンボシ 愛知
サニーハシレ 笠松 × ×
ミツアキタービン 笠松 × ×
ラブグレース 笠松 × ×
エイユーハーデイ 園田 ×
スーパーワシントン 佐賀 ×
コスモバルク ビッグレッドF
             
参考)パラダイスホーク 船橋 ×
参考)キタニッポン 大井 × ×



参考に挙げたパラダイスホークは、去年1年間で内田博幸騎手がもっとも結果を出した(5,4,6着)「カク地」馬、キタニッポンは今週日曜日(2/12)、東京7Rに出走予定(内田博幸騎手鞍上)の「カク地」馬です。
該当サンプル自体が少なくて信頼度は低そうな上、表中の評価には多少なりとも偏見が入っているので、どうかその点は差し引いて読んでください。


どうやらここで見る限りでは、地元でも手綱をとっている主戦騎手とのコンビで中央に参戦しているかどうかというのは、結構重要な条件になっていそうな感じです。中央でも実績がある騎手ならばなお良いと。


また、ここには載せていませんが、地元での戦績は度外視した方が良いかもしれません。地元で連勝して中央にやってきても、アウェーがダメな馬は惨敗して帰っています。「地元では無敵。地元での交流競走ではあのJRAの××を下した」などという看板は、逆に疑ってかかったほうが良さそうでした。上に載せた馬の中にも、地元のダート戦では勝ったり負けたりの平凡な成績の馬もいました。
血統はいろいろです。いかにも公営、という馬もいれば、クリムゾンルージュのように、サンデーサイレンスの肌に父エンドスウィープ、なんて馬もいました。


他で注目したいのは船橋の名手・石崎隆之騎手。昨年「カク地」馬で1勝・3着1回、一昨年は2着と3着が1回ずつ、3年前は1勝・2着1回・3着1回。ネイティヴハートのお陰だったりもしますが、調べた中では「カク地」馬で一番好成績を挙げた騎手でした。それでも年に2・3回なのですから狙いをつけるのが難しいのは確かなのですが。。。


まとめると、
・地元での主戦騎手が騎乗している。
・厩舎と騎手の名がそこそこ中央競馬でも通っている。
・以前JRAで芝(あるいはダート)を経験して、6着ぐらいまでに入ったことがある。
ような「カク地」馬がいたら、他のメンバーが弱そうならこっそり狙ってみよう、というようなところでしょうか。
「積極的に狙いたい」というような場面にはなかなか出会わないと思います。


今週出走予定のキタニッポンは、テン乗りの内田騎手なので見送るべきと判断します。