ミスプロ系っていうけど、ミスプロっていつの馬なのさ。

唐突ですが、僕は、
「例年この時期、このコースではミスプロ系が大暴れ」
のようなたぐいの血統がらみの馬券攻略法がまったく信用できないのです。
どこが信用できないかというと、「ミスプロ系」という括り方が。
見聞きするたびに疑問に思います。
この人は、サンデーサイレンス直仔と、フジキセキ産駒と、ダンスインザダーク産駒はそれぞれ区別しているくせに、どうして2代父(父の父)や3代父(父の父の父)のMr. Prospectorについては頓着しないんだろう、と。
ミスプロ系の他にも見聞きしますね。ノーザン系とか、ナスルーラ系とか、マンノウォー系とか。。。
たとえばフレンチデピュティの仔ならNorthern Dancerは4代父、サクラバクシンオーの仔ならNasrullahは5代父、ウォーニングの仔ならMan o'Warは7代父です。
そういった、はるか昔のご先祖の1頭のみを指して、目の前の現役馬の能力・特性を判断するのは無理がありすぎるよなあ、と思うわけです。
また、「○○系」の「○○」の選び方にも疑問が。
Northern Dancer系全体の成績に比して、Danzigの仔の良い成績が短距離戦に偏ると、「ダンチヒ系(ダンジグ系)はノーザン系と別に考える」などとし、さらにChief's Crownの産駒(Danzigからみれば孫)の良い成績が中長距離戦に偏ると、「チーフベアハート産駒はチーフズクラウン経由だからダンチヒ系とは考えない。例外。」のような仕分けをしたりするのです。いくらなんでも自由自在すぎるでしょう。
これだと、その世代において本流からの「変質」が起こったかどうかは、サンプル数が充分なら認定され、少ない場合はまったく無視されることになります。また、その「サンプル数」よりも、括り方を変えた場合に自説に都合が良くなるかどうかの方が、実は「変質の認定」の決め手になっていたりするのです。
サラブレッドは、血統が管理された生き物で、交配する繁殖用の馬の数も限定されているから、似たような特徴を持つ種馬が現れることもあるでしょう。
でも、サニングデールの7代血統表で、右上に位置するMan o'Warのマスの大きさを見てください。
いくら彼の馬が大変な名馬だとしても、こんな小さなマスの馬1頭が、サニングデールの7代前までの先祖のべ254頭を代表しているとするのは、とても信じがたいです。
血統表のタテ全体の長さ1に対して、Man o'Warのマスのタテの長さは1/128ですよ。
せめてウォーニングの仔はこうだ、フレンチデピュティの仔は、サクラバクシンオーの仔は・・・といった言い方でないと、攻略法の提唱者がどんなにその方法で儲けていようと、自分もそれに手を出してみようという気にはなれないのです。