「王道の季節」と「牝系の勢い」の奇妙な符合

先日のエントリで「追記」として重賞勝ち馬の近親を調べたものを載せたのですが、それについて。
まずは、一部を再掲します。



2006年元旦より、先週(3月19日)までに行われた、中央競馬平地重賞は32レース、勝ち馬は30頭。


このうち、兄弟姉妹、母、母の兄弟姉妹(おじおば)、おばの子供(いとこ)、祖母 (・・・つまり、祖母を祖としたファミリー)の中に、
(1)中央競馬のオープンレース・重賞勝ち馬がいる
(2)海外の重賞勝ち馬がいる
のどちらかの条件を満たす馬は、実に21頭(70%)。


残る9頭の内訳は、・・・


(中略)


ちなみにこの9頭が勝った重賞9つのうち、8つが1、2月のレース。3月に入ってからの10レースの勝ち馬のうち、9頭に含まれていたのはアドマイヤキッスのみ。


これを調べはじめた動機としては、重賞を勝つぐらいの馬は、大概、牝系近親を見ても一本筋の通った血統なのではないかな、と思いついたからです。
ピックアップの条件も特に根拠なく設定したのですが、その結果1,2月と3月では別の傾向が出たので、これは面白いかもと思ったのです。
そこで、この土日(3月25・26日)に中山・阪神・中京で行われた4重賞もこの条件で勝ち馬を予想してみたのですが、結果は4レースとも条件に当てはまる馬が勝ちました。
つまり、3月に入ってからの重賞14レース中、条件に当てはまらない馬が勝ったのは、1週目のチューリップ賞のみ。弥生賞の週からこちらでは、すべてこの条件に当てはまる馬が勝ったのです。(ちなみにドバイでの勝ち馬2頭も合致)


中でも凄かったのが、日曜のG1 高松宮記念








































































































































着順 馬名 性齢 人気 近親 備考
1 オレハマッテルゼ 牡6 4  
2 ラインクラフト 牝4 2  
3 シーイズトウショウ 牝6 3  
4 プリサイスマシーン 牡7 7  
5 ネイティヴハート 牡8 11  
6 シンボリグラン 牡4 1 祖母の弟がビコーペガサス
7 リミットレスビット 牡7 5  
8 ゴールデンキャスト 牡6 18 従兄に仏の準重賞勝ち馬
9 タマモホットプレイ 牡5 8 ×  
10 カネツテンビー 牡7 10 ×  
11 ブルーショットガン 牡7 15 ×  
12 ギャラントアロー 牡6 13 ×  
13 マルカキセキ 牡5 6 従姉の子にフューチャサンデー
14 ウインクリューガー 牡6 17 約3年勝ち星なし
15 コパノフウジン 牡4 12 祖母の兄Alshinfarahは独2歳王者
16 キーンランドスワン 牡7 14 約1年勝ち星なし 出遅れ
17 マイネルアルビオン 牡4 9 ×  
18 トウショウギア 牡6 16 初の芝のレース

(当初設定した条件には当てはまるけれど、従姉の子っていうのは少々離れすぎかな?という気がします。同じミトコンドリアのファミリーですが。。。)


戦前、メンバーのレヴェルが云々と言われていましたが、オープンクラスの上位ともなると、さすがに近親ともども走った馬が多くなっています。
ですがそれにしても、1番人気を蹴飛ばしての掲示板独占とは。。。


弥生賞以降ともなれば、春のG1に向けて勝ち負けを意識する馬が登場してくる季節になります。そのレヴェルの馬が出る「王道」レースともなると、牝馬の血に支えられた心肺機能が、勝利の「決め手」につながっているのかもしれません。
まだまだサンプル数が少ないので性急に結論を出すべきではないと思いますが、この春シーズン中は、ちょっとこの視点に注目してみようかと思います。


(これでゆくと、桜花賞アサヒライジングを切れるんだけど。。。)