有馬記念 注目馬

いよいよ有馬記念
とにもかくにも、ディープインパクト最後のレースとして後世に記憶されることになるででょう。


さて注目馬ですが、まずはそのディープインパクトの取捨を。
前走ジャパンカップでは地力の差を見せて勝利したものの、自身のパフォーマンスとしては低いものに終わったように見えました。
海外遠征からの帰国初戦で、検疫を経た上での調整ですから仕方の無い部分はあるでしょうが、そのレヴェルにもってくるために厳しい調教を課されていたことを考えると、反動が心配になります。
週中の東スポでは「馬具をつけて460キロ」という情報もありましたし、どうも「最高のデキになった」というよりは、前走の状態を維持することに腐心した様子がうかがえます。パドックでの動きでチェックが必要ですが、現時点で、体調面では前走よりも下という予想をしています。比較的ゆったりとしたローテーションを組まれていた過去の経歴に比して、中3週でGI連戦というのも初めてのことですし、いくら優れた心配能力をもつディープインパクトといえども、ここは一筋縄ではいかないのではないでしょうか。
加えて東京芝2400mから舞台が移っての中山芝2500mというレース設定。コーナーを6つまわり、短い直線、例年レース上がり3ハロンが35秒台になる暮れの芝状態、、、最後方から外外を通り上がり4ハロンを11秒台連発ですべてを抜き去るスタイルには不向きな舞台です。実際に昨年のこのレースでは敗れていますし、「大逃げ宣言」(やや疑問視していますが)のアドマイヤメインが引っ張れば、得意とするスローペースの上がり勝負にはならないでしょう。
ただ、土曜日のレースを見ていると、どうも馬場は相当軽め・硬めに設定されているきらいがあります。そうなれば究極の上がりの脚の勝負ということも可能になりますが、同時にダイワメジャースイープトウショウらのGI馬にも向いた馬場になり、必ずしもそれがディープインパクトだけのための馬場設定であるとは言えないでしょう。
また、登録が16頭、そこから2年間連対歴がないチャクラと、同一馬主3頭登録のうちのアドマイヤムーンが回避しただけで14頭だて。この「減らなさ具合」も、他馬陣営が打倒ディープインパクトの目があるとふんでいる証左ではないでしょうか。
このディープインパクトが、歴史的とも異常ともいえる馬券での支持を集めているわけで、これはリスクとリターンが見合わないと判断します。


今回のレースの結果がどうであろうと、ディープインパクトの評価はおそらく揺るがない。今回は、ディープインパクトが勝たないほうに賭けてみることにします。


注目馬の1番手は、ダイワメジャー
2500m戦という距離への不安はありますが、コーナーを6つまわるコース設定と、逃げ馬が引っ張り同型馬と並走できると見込まれる展開で、そのカベは超えられるのではないかと予想しています。秋の成績は、安藤勝己騎手が能力を発揮できる戦法を確立できたためで、必ずしも地力強化のためとは思っていませんが、今の充実ぶりなら。
鞍上の安藤勝己騎手が「ディープインパクトのための有馬記念」に協力しなさそうなのも買いポイント。
ただ、ここのところの空気の乾燥ぶりや、前半攻めすぎて終い失速する可能性を考えると、勝ちもあれば惨敗もあると考えているので、同等の1番手評価をもう1頭。


器用さと決め手を併せ持つドリームパスポートにとって、今回は格好の舞台設定になっているのではないでしょうか。菊花賞ジャパンカップ有馬記念のローテーションは厳しいものですが、ジャパンカップでは菊花賞よりも状態が上のように見えましたし、おそらく成長期の只中にいるのではないでしょうか。この勢いでジャパンカップの着順の逆転を。
おそらくギリギリの状態までにはなっているでしょうから、ここで勝たないとしばらくGIは難しいかもしれません。それには毎回騎手が変わることはマイナスポイントですが、内田博幸騎手なら不満は言えないです。ディープインパクトへの遠慮もないでしょうし。これが2頭めの本命馬。


他では、角居厩舎の2騎、デルタブルースポップロックの豪州遠征組。
ここも海外遠征からの初戦ということが気になる点ですが、遠征の経験が豊富な陣営で、そもそもは2頭とも香港遠征を考えていた点を考えると、状態の不安はないのではないかと見ています。
メルボルンカップという世界屈指の大レースで、他馬を引き離したワンツーフィニッシュを演じた2頭。この秋の実績ではディープインパクトと同等かそれ以上の評価を与えられます。これは評価を下げられない。
2頭の比較では、実績面では断然デルタブルースということになりますが、ポップロックの方も不気味。条件戦からステップアップしてハンデGIIながら連勝で重賞勝ちまで昇っていった春シーズン。初の海外遠征で凡走しなかった秋の経験。デルタブルースとは斤量差があったことも考えなければいけませんが、まだ底をみせていないというのは魅力。


この4頭に期待をかけます。
故・大川慶次郎氏なら「ディープインパクトに本命以外の印をつけるのは失礼」というところでしょう。ですが、こちらはあまり気にしないので、破格の名競走馬を2・3着だけにマークした3連単フォーメーションを考えています。
ディープインパクトが「とべば」、高配当期待。


スウィフトカレントは外すぎる枠ということで、メイショウサムソンコスモバルクスイープトウショウは前走敗戦から上がり目なしと見て評価を落としました。ただスイープトウショウに関しては、今回は人気を負って勝ちにいく立場ではなく、イチかバチかの賭けに出やすいポジションにいるので、少々怖いところ。注目馬4頭のどれかに当日パドックで不安が見られたら、この馬と入れ替えるかもしれません。
アドマイヤフジはもともと好きな馬で、調教で1番時計を出したということで期待していたのですが、井内利彰氏のブログによるとその時間帯だけ非常に時計が出やすくなっていたということなので、ここはパスすることに。ほぼ1年ぶりですし、勝負は日経新春杯あたりかな。