馬券絶不調の中のレース備忘録

馬が示し合わせているんじゃないかというぐらい、きれいにヌケた目で決まる今日この頃。単勝買えば2着、ワイド買えば2着4着、馬連流せば勝った馬が掲示板独占しているのに軸馬が写真判定の末3着。。。
買い目を絞りすぎているというのが原因なのですが、逆に言えば損害が軽微で済んでいるとも。。。


高松宮記念(3/25)
プリサイスマシーン・・・3着


前3走において距離1200mのレースに使われていなかった馬が6頭出走しており、うち5頭が6着までに入ったというレースでした。(残る1頭は、障害を3戦して全敗、平地に戻っての初戦だった8歳馬、キーンランドスワン=16着)


スプリント戦ならではの、「6ハロン息を入れずに一気に」という展開にはならないという読みどおり、テンから2ハロンを過ぎたあたりから流れは落ち着いていました。こうなると、マイラー寄りの馬の決め手が生きる。楽に追走していたスズカフェニックスが直線入り口でプリサイスマシーンを一気にかわし、その進路を閉じるようにコースをとると、そこで勝負あり。あとは独り舞台で快勝。
ややコーナリングの際にモタモタしていたプリサイスマシーンは、一度外に持ち出してから追走にかかり、ペールギュントと並んで伸びたものの、競り負けて3着でした。
馬連ならプリサイスマシーンペールギュントも持っていたのですが、絞りすぎてワイドを買っていなかったのは痛恨。


一昨年のアドマイヤマックスあたりから顕著になった、マイラーのスプリント路線への侵食ですが、単に「両方こなせる強い馬が1頭いる」、という次元ではなく、巡航速度(*)が早めのマイラーが複数出走してきて、マイル戦風のレースを展開するということが頻繁に起こるような状況になっています。
(*「巡航速度」とは、巧く言い得ていないかもしれませんが、テンのスタートダッシュでもなく、終いの決め手の脚でもなく、勝負処のトップスピードでもなく、道中を進んでいる時のスピードのことを言っています。普通なんと呼ばれているかちょっと思い浮かばなかったので。。。)


競馬は集団で走るという馬の習性を利用しているので、極端に大逃げをうったり、極端に離れたシンガリを追走という作戦がうまく奏功することは少なくて、しかも、馬は、人間が狙ったほど極端には走ってくれないように思います(これは僕の素人目で見るレース観に過ぎませんが)。馬群の制約の中で走っているというような。


ですから、今回のように力のあるマイラーが複数でスプリント戦に出走した場合、もうその場はマイラーの流儀に仕切られる事になり、そこそこのレヴェルの「純スプリンター」よりはそこそこのレヴェルの「マイラー」タイプの方に有利に展開すると読んでいたほうが良いのかもしれませんね。
2着に入ったペールギュントは明け3歳のシンザン記念勝利以降、好成績が続かない状態にありましたが、1800m戦や2000m戦で折り合いに苦労するよりは、「マイラー仕切りの1200m戦」の方がずっと適していたようで、ここはうまく嵌った感があります。
逆に、掲示板に載った馬が4着のビーナスラインのみという「純スプリンター」勢にとっては、受難の時代になったのかもしれません。思い浮かぶのは中距離勢に侵食されていた長距離路線のことで、最近ではデルタブルースアイポッパートウカイトリックの登場でステイヤーが復権しつつありますが、そのように、何頭かの強いスプリンターが一度に現れてこないと、しばらくの間は影の薄い勢力になってしまうかもしれません。(・・・天皇賞・春菊花賞はなんだかんだといって勝ち馬の座はステイヤー勢が死守したことが多かった分、スプリンター勢の方が悪い状況かも。海外遠征で勝利するなどの浮揚のきっかけになるようなことも今のところないですし)


桜花賞(4/8)
ウオッカ・・・2着
ローブデコルテ・・・4着


パドック中継でウオッカの様子を見て、思っていたイメージと違うように感じました。以前は全体の印象が丸っこい馬だと思っていたのですが、この日はすっきりとした感じに見えたのです。本番へ向けて絞ったと見るべきなのか、ピークを過ぎて肉が落ち始めたと見るべきなのか、馬見が不得意な自分としては判断がつかず、とりあえず投資金額を抑え、「見る競馬」に変更。
アストンマーチャンはイライラした感じで、人気馬の一角にもかかわらず地上波中継で「怒っているよう」と否定的に言われているものだから、本当に精神的な安定を欠いているのだろうと判断。これで逃げ宣言のショウナンタレント=柴田善がよくある感じでやらかしたら、展開がどうなるかわからないな・・・と思っている間にスタート、案の定ショウナンタレントはハナを主張する気配すらない(ちょっと笑ってしまいました)。


レースはアマノチェリーランがゆったりと刻むラップに、アストンマーチャンは折り合いがつかずに波乱の予感。
ですが、それ以外の馬達は淡々と馬群を形成して、阪神芝マイル戦でよく見られる超スローペースの流れ。3コーナー手前でこらえきれずという感じでアストンマーチャンが先頭に並びかけると、ダイワスカーレットがそれについていって前に進出、やがて早めのスパート。
4コーナーでウオッカは前にとりつこうとしたものの、そのタイミングでレースのペースが急に上がったので、結果として長く脚を使うことを強いられ、ダイワスカーレットとの追い比べで常に形勢不利な様子でゴールへ。前々でソツなく走ったカタマチボタンが、離れた3番手。後方から直線勝負に賭けたローブデコルテが際どい差で4着。


戦前、「1分33秒台前半で走っても勝てるかどうか」とまで言われていたわりには、スローペースの上がりだけの競馬に終わってしまったわけですが、時計的には凡戦でも見所のあったレースだと思いました。
チューリップ賞の直線ではウオッカの追い出しを待ち、その末脚を測っていたダイワスカーレットの安藤勝騎手が、本番では早めスパートでライバルに脚を使わせる作戦に。4コーナーでは内をきっちりガードして基本どおりウオッカアウトコースに振り、直線では綺麗に走らせるというよりは気力を振り絞らせて前へ馬を持ってくるというような騎乗。
一方のウオッカの四位騎手は、人気馬騎乗の教科書どおりというか、包まれる不利を嫌って外目を追走、少々目論見は外れたものの流れの中でポジションを上げる作戦。直線では苦しがってフラつく愛馬を立て直してまっすぐ追わせる綺麗な騎乗。
なかなかに対照的で、展開ひとつでは順番が入れ替わっていたであろうレースでしたが、自分が有利な展開にレースを誘導できた安藤勝騎手に軍配が上がりました。ウオッカ陣営としては特に何が悪かったと、原因を挙げにくい敗戦ではないでしょうか。
このあたり、ウオッカの父タニノギムレット皐月賞・NHKマイルカップあたりと似たような敗戦。父のアーリントンカップ出走と似たような論法で、2月のエルフィンステークス出走が余分だったとも言われかねないところですが。。。


オークスで狙いたいと思っていたローブデコルテが無事にオークス出走権を確保。本番までなんとか順調に過ごして欲しいです。
でも、3・4着が入れ替わっていればワイドが。。。(笑)