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「きょうだいができる」という絵本を探す(その1)

いよいよ次男の誕生が近づいてきました。
もうあと1、2週間のうちには、家内は出産のため入院し、長男は初めて母親から離れて寝起きすることになります。
息子は3歳になり、独りでできることも増えてきましたが、母親なしでまったく平気で過ごせるとはちょっと考えにくいです。
我慢を強いられてストレスを感じるだろうと思われます。
ですがもし、兄弟ができたことに好意的なイメージを持っていてもらえたら、多少はそれが軽減されるのではないかと、そういう題材の絵本を読んで聞かせようと探してみました。


ところで、ウチでは長男に寝床で本を読んで聞かす役目はもっぱら僕が受け持っています。
僕も家内も二人して、どちらが読むべきかなんていうこだわりはないのですが、家内の腹の膨らみっぷりは"これぞ妊婦"というような具合ですので、あお向け・うつ伏せどちらもとても苦しいのだそうで、なりゆきこういうことになっています。
世の中には「まったくお腹が大きくなったように見えない妊婦さん」というのが相当数いて、電車の中などで、この人は妊娠中なのか・・・元から・・・その体型なのか・・・判別できず、「どうぞ」と言わずに席を立ってみたりすることもあるのですが、その話は置いておいて。


我が家には既に数十冊の絵本があったのですが、「弟または妹ができて云々」という話はありませんでした。
自分が子供の頃を思い出しても適当な作品が思い浮かばず、唯一、心当たりがあったのが、こちらの本。






ちょっとだけ (こどものとも絵本) ちょっとだけ (こどものとも絵本)
鈴木 永子

福音館書店 2007-11
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「ちょっとだけ」 瀧村有子:作、鈴木永子:絵
(あらすじなどはこちら・・・絵本ナビ)


この本は読んだことがありました。
たぶん小児科の待合室か、児童館で読んだのだと思います。
単行本になったのが去年の11月なので、比較的新しめの本です。


主人公が3歳か4歳ぐらいの女の子「なっちゃん」で、最近生まれたきょうだいの世話でお母さんが忙しい、という設定。


文体や構成は、かなり読み聞かせやすい方だと思います。
中盤までは2ページで1セット、同じパターンを繰り返し。
滑舌が怪しくなるような言葉もなく、少しばかり長い話になるとすぐ飽きてしまうような小さな子供でも聞いていられるのでは。


画材は何か、とかはよくわからないのですが、水彩画っぽい絵は文に対して主張しすぎず、主人公の女の子の目の高さにあわせた描かれ方もいい印象。


ですが、この本は選びませんでした。
理由のひとつは、主人公は女の子で、ウチは男の子だということ。
当たり前ですが絵本には絵がついているので、視覚的に息子が自分と重ねにくいのではと思ったのです。
また、話の中では下のきょうだいが既に生まれているところから始まっているのですが、ウチはまだ。
ひとつの場面を理解するのに、経験済みのものから類推できることよりも、未経験で想像に委ねられることの方が多すぎる気がします。


それからもうひとつ大きな理由が、この本がもつ一面が気になってしまったということ。
話の内容というか作者の思想みたいなものに関わる部分で、こちらのニーズと違うものがやたら幅を利かせている感じなのです。
amazonのカスタマーレビューを見てみるとわかりやすいかと思いますが、絶賛のコメントの中に、
「子どもをもつ親として『大切なことを気づかせてくれる』」、「姉妹児のいらっしゃるお母さんにはたまらない」、「親子で読める名作」・・・
等々、やたらと母親=レビュアーが顔を出してきます。
中には、子供の反応がどうだったとかは言及されずに自分が”泣けた”とだけあるレビューも。
要するに、「親向けの絵本」として良くできてるよ、という評価です。


そういう「親が感じたこと」を子供がどうにかしてつかめれば、親子で感想を共有できて、より深く鑑賞できるのでしょうが、この本で今ウチの子がどうかというと、まずその時ではないでしょう。
ですから、、、この側面のせいで作品の評価を下げることはないけれど、、、いま本を探している動機に照らして必要な要素ではないので、そこが良くできているがために逆に”使いにくく”感じられるのです。
例えると、希望のスペックを満たすAV機器を買ったものの、あまり必要性が感じられない最新機能がついていて、それがリモコン中央の大きなボタンに対応している、、、といったところでしょうか。


それよりは、欲しかった部分の価値を高めるような方向にプラスアルファがあればなあ、と思ってしまったのです。
この本でいうと、「きょうだいができて寂しい思いをしたけれど、お母さんは自分のことを大事に思ってくれていた」というだけでなくて、何かしら上積みの要素、例えば「きょうだいができて良かった」と思うような仕掛けが欲しかった。


これまで息子の食いつきの良かった本は、翌日・さらに次の日も繰り返しリクエストされることが多く、出産までの時間を考えるとあれこれ手を出していくよりも、希望の条件にあった本を1冊か2冊に厳選したいと考えて、この本はやめることに。
仕事終わりに図書館や駅近くの書店で、より理想的な作品を探すことにしたのでした。
(つづきは別エントリで)