安田記念 ひとことふたこと

安田記念ロゴタイプが逃げ切り、3年前の皐月賞以来の勝利。

とにもかくにも、田辺騎手にやられました。

レース前半が47秒0、上がり800m46秒0、600m33秒9。

古馬マイルのG1で、中盤に12秒台のラップがふたつ挟まっての上がりの勝負となるとは完全に予想外でした。こんな安田記念は過去に記憶がなく、あえて似たものを挙げるとカレンブラックヒルが勝ったNHKマイルカップが近いでしょうか。

テンからハナを主張し、主導権を握るとペースを落として、残り600mから猛スパート。他の馬が馬場の良い外を回る中、ロゴタイプただ1頭だけが内ラチぴったりを単走で駆け、コンマ2秒差つけての1着ゴールイン。マイル王者のモーリスをはじめ11頭は、田辺騎手の術中にまんまと嵌まりました。

 

モーリスはこの遅いペースに引っ掛かってしまい、テン乗りのトミー・ベリー騎手は頭をガックガクいわせながら抑え込んでいました。海外遠征帰りで調整が巧くいかなかったというよりは、騎手が巧く御せなかったように見えました。2着とはいえ残念な結果。

 

リアルスティールはまったく力を出せず11着惨敗。

序盤に内へ潜り込ませて欲しいなと思っていたですが、外目を引っ掛かりながら先行し、ロゴタイプの作る超スローペースで無理矢理抑え込む展開。人馬がケンカして、序盤・中盤でかなりの体力を消耗してしまい、直線では早々に失速してしまいました。

折り合いが楽になる速い流れを求めてマイル戦に参戦してきたのに、結果も、次への手応えも、何も得るものなく終わってしまいましたね。

 

レースを見ながら『この馬の流れだ』と思ったのにもかかわらず5着だったのがイスラボニータ

この馬にお誂え向きの上がりの競馬になったわりに、大して見せ場もなく終わってしまいました。もう一線級の相手だと厳しいのかも。

 

フィエロは急な乗り替わりもあったし、道中の展開も不向きだったし、直線外に開かざるを得ない窮屈さもありながら3着。健闘はしていますが、欲しいのはタイトルでしょうねえ。いろいろ残念。

 

ロゴタイプはこれでG1を3勝目。一発屋なわけではなく、もともとが力のある馬だったのではありますが、何とも先々で参考にしづらい一戦でありました。

他方で、マイルG1でもこういうことが起こりうるんだ、という実例として覚えておこうと思ったレースでした。