先週の菊花賞はサトノダイヤモンドの快勝。ディーマジェスティ、マカヒキと併せ3頭のディープインパクト産駒が三冠を分け合う結果になりました。
序盤ミライヘノツバサが引っ張って急流となり縦長の展開に。中盤はグッとペースが緩んで団子状態に。終盤、坂の下りから団子状態のまま全馬加速、争うように最終コーナーへ突入して直線勝負に。先行集団の後ろで終始スムーズに流れに乗れていたサトノダイヤモンドが上がり勝負を制して、2着に0秒4差をつけてゴールインしました。
注目していたディーマジェスティは4着。サトノダイヤモンドの後方外目をマークするように追走していましたが、2周目坂を力まず加速して下って行ったサトノダイヤモンドに対し、ディーマジェスティはおっつけながらライバルの外に被せに行く格好になってしまいました。
4コーナーの回り方もサトノダイヤモンドの方がスムーズで、その位置でも内ラチから5~6頭分外ですから、さらに外のディーマジェスティは相当な距離を走らされていました。こうなると直線平坦の京都では目標を捕まえきれず、最後は自身の脚も鈍って4着に。ちょっと不格好な残念なレースになってしまいました。
勝ったサトノダイヤモンドは緩んだ中盤に折り合いがしっかりとついてじっと我慢できていました。ちょうど、ゆったり流れた中距離戦のようなイメージで競馬をすることができ、持ち前の末脚を繰り出すことが出来ました。今回は完勝。
次はどこを目標にするのかまだわかりませんが、この馬はやはり中距離馬のように見えるので2000m戦の香港カップなら面白そうです。
一発あるなら、と期待していたレインボーラインが2着。後方待機から直線大外をよく伸びてきました。前からうすうす感じていたのですが、この馬は父のステイゴールドの現役時代のキャラクターと重なるものがありますね。今回は難しい流れのレースだったと思うのですが、そういう時に浮上してきて、そして惜しくも勝てはしないあたりが。ハナハナクビアタマと5頭がタイム差なしで入線したアーリントンカップの着順が僅かでも狂っていたら、この馬も重賞タイトルを獲るのに相当苦労することになったかもしれませんね。
以後も、相手関係に関わらず、厳しい流れになった時に馬券圏内に突っ込んで来そうです。
最後に、こちらはマイラー色が強いにも関わらず3着に入ったエアスピネル。
武豊騎手の手綱さばきが素晴らしかった。外目の13番ゲートを出てから、あっという間に逃げ馬の後ろの内ラチ沿いに入り込む動き。それから、最終コーナーをまわってから内回りコースとの合流点を駆け抜けて馬群を抜き去る動き。前者は、エアスピネルの大叔父のエアシャカールの時とそっくり。後者は、エアシャカールの以上に難しいことをこなしてみせました。
毎年菊花賞の時にエアシャカールの話を持ち出す身としては、この馬を拾って馬券を獲りたかったですねぇ。
さて今週は秋の天皇賞。
モーリス・エイシンヒカリ・リアルスティールと、今年海外のG1を勝ってきた馬が揃ってなかなか豪華なメンバー。
1枠1番を引いた武豊騎手のエイシンヒカリは序盤から押し出してゆくでしょうが、この有力馬のマイペースを嫌って田辺騎手のロゴタイプあたりが絡んでゆけば乱ペースになるかもしれません。
道中ハロン11秒台のラップがずっと続くようなレースとなると、ちょうどジャスタウェイが勝った2013年の時のように、道中消耗を強いられながら長く良い脚を使える馬が浮上するのでは。
となると、昨年の覇者のラブリーデイはちょっとイメージから外れます。確かに平均ペースのレースでも実績はありますが、道中スローペースの集団から一気に抜け出す脚がこの馬の長所。今年は昨年より調子を落としているところを見ると、今回は苦しいかもしれません。
自らの型にこだわって押し通してしまえば、ということでまず注目はエイシンヒカリ。
連戦でパフォーマンスを落とすようなところのある馬なので、4ヶ月半空けてのぶっつけ本番は悪くないと思います。
稽古の動きは抜群とは見えませんでしたが、態勢は整っているのでは。
距離の2000mを少し長いと見る向きもありますが、よほど厳しい展開でなければこれは問題ないと思います。むしろ、勝ち時計がかなり速いようだと苦しくなるだろうという見立てなのですが、土曜の晩に降った雨がその心配を流してくれたようです。
ジャスタウェイがその後ドバイデューティーフリーを勝ったのとは逆に、デューティーフリー改めドバイターフを勝ってここに臨むリアルスティールにも注目。
前目につけて、早め先頭から長く良い脚をつかって勝ち切ったドバイターフのように、今年に入ってのこの馬は序盤に前目のポジションが取れるようになっているのが好材料。ロゴタイプの田辺騎手にスローに落とされて折り合いを欠いてしまった安田記念は残念でしたが、今回はそこまで遅くは流れない予想で、それならば勝機。
予定していた毎日王冠の出走を取りやめてここに直行となったのは気になりますが、こちらも体はできているようです。
モーリスにとっては距離が不安になりますが、11秒台のラップが続くようなペースは慣れたものですから、これも争覇圏内。
一方でルージュバックは外厩での調整で狂いが出たのか、かなり馬体重を減らしての出走になりそう。牡馬相手の2000m戦では距離も不安で、今回は軽視します。
他では4枠の2頭。今年はプレップレースを使えたアドマイヤデウスと、長めの距離を使われながら2000m戦重賞3勝のサトノノブレスは一発の魅力があります。
◎ エイシンヒカリ
○ リアルスティール
▲ モーリス
馬券は三連複ボックスなどを考えています。
秋の天皇賞の1枠1番の逃げ馬に武豊騎手、1998年のことを思い出してしまいます。
はてさてどうなりますか。