好発を決めて早々に先頭に立ったキタサンブラックが、道中は極めて楽なスローペースでの単騎逃げ、残り800mぐらいから後続を突き放す形に。
キタサンブラックは上がりの決め手勝負を嫌うだろうという予想だったのですが、ここまで楽な逃げだと、上がり勝負でも余力充分でした。むしろ荒れ馬場の影響で後続の追い込みが効かず、ゴール前さらに差が開くような完勝。
一因はゴールドアクターの戦い方にあったかと。内枠のキタサンブラックの好スタートを見て、まったく競り掛けることなく内ラチ沿い3番手のポジションでじっとしていました。最後まで自ら動いてキタサンブラックに並びかけるような場面はなく、グランプリホースとしては寂しい消極的なレースになってしまいました。
そのゴールドアクターと道中は併走していたのがリアルスティール。想像よりもずっと前での競馬になった上に、4コーナーでは真っ先にキタサンブラックをねじ伏せに動いていきました。最後は脚が上がって5着に終わりましたが、これは距離不安が当たってしまった形。言ってみれば負けっぷりの良い5着。
ラストインパクトは不向きなスローペースになってしまい、終いも詰めきれず10着。もう6歳、G1制覇のラストチャンスぐらいに思っていたのですが、今回も残念な着順で終わってしまいました。
さて今週はチャンピオンズカップ。
今週になって、ホッコータルマエの引退とタガノトネールの故障・安楽死というニュースが入ってきました。ホッコータルマエはG1を10勝の実績馬で出走していれば当然上位人気だったでしょうし、タガノトネールはフェブラリーステークス6着、武蔵野ステークス1着。主戦場のダート1400m戦から距離を延ばしても面白い存在だと考えていました。この2頭が出走叶わなかったのは本当に残念。
また、強力先行馬2頭の不在ということで展開にも影響ありそう。
日曜日の天気は下り坂の予報でしたが、雨の降り出しは発走時刻より後になりそうです。
ダート転向後、土つかずの6連勝中のアウォーディーが人気の中心。
母の天皇賞馬ヘヴンリーロマンスからはここ出走のラニの他に、交流重賞を5勝のアムールブリエが出ており、現役の兄・妹・弟の3頭がダート戦線のトップクラスにいるという勢いのあるファミリー。
しかし、競走馬としてのキャラクターはきょうだいで結構異なっているようで、大跳びで不器用なラニが毎回追走に苦労して後方からの競馬になるのに対し、アウォーディーは前で受けても中団で構えても戦えるタイプ。
前走のJBCクラシックではホッコータルマエ・コパノリッキーをねじ伏せての勝利、今回の左回り1800m戦も問題なく、人気ですが最有力の1頭でしょう。
先行勢の顔ぶれがやや緩くなった感があるので、コパノリッキーの巻き返しにも警戒。
逃げにこだわる馬ではありませんし、今回鞍上のルメール騎手も好んで逃げるタイプではなさそうですが(ただ逃げた時は好成績・好配当の印象)、前半気分よく進めれば、前走からの距離短縮は好材料でしょう。
3歳馬ゴールドドリームは末の決め手を持った差し脚が魅力。
どちらかといえば湿ったダートのスピード比べの方が得意で、古馬との斤量差1キロでは今回はやや苦しいかと考えていたのですが、この中間の稽古の様子が抜群。
展開の助けは要りそうですが、スタート五分なら勝ち負けまで持って来れそう。
◎ アウォーディー
○ コパノリッキー
▲ ゴールドドリーム
△ サウンドトゥルー
注 ロワジャルダン
ロワジャルダンは小回り向きと思っていますが、今回は馬が密集したまま直線に向くことも予想できるので、狭いところを抜けてこれるこの馬を買い目に含めてみようと思います。
馬券は三連複ボックスを中心に考えています。
はたしてどうなりますか。