ディープインパクトが圧勝した2006年のレコードタイムを0秒9更新するレコード決着でした。
確かに速い時計の出る馬場でしたが、勝利の内容は濃いものでした。
ヤマカツライデンがハナを飛ばしてゆく展開で、キタサンブラックは離れた2番手からの競馬。後続に徹底マークをされながらも2周目坂上から動いて自らヤマカツライデンを捕まえにゆき、4コーナー先頭からリードを保っての勝利。強さが際立っていました。
レース前にはこのような早めのスパートで勝ち切るのは難しいのでは、と考えていましたが、驚異的なスピード能力で押し切ってしまいました。こちらの予想を遥かに越えていました。
キタサンブラックから0秒2~3差でゴールした2~4着馬、シュヴァルグラン、サトノダイヤモンド、アドマイヤデウスもまったく悪くない競馬をしていたのですが、マークした相手を負かしにいったのに並ぶこともできなかったのですから、今回は完敗と言えるでしょう。もちろん、距離やコースの適性の要素はあるので、別の条件なら逆転も、、、というのは考えていますが。
中でも梅田厩舎に転厩後、位置を取りに行く競馬でまずまず好走しているアドマイヤデウスは、━━━もう6歳ではありますが━━まだG1を狙える可能性を感じました。岩田騎手がレース後言っていたように下り坂が巧くないのでレース選択は難しそうではありますが、次走以降も注目してゆこうと思います。
それから先週は香港で、ネオリアリズムがクイーンエリザベス2世カップを優勝しました。
テンからかなり遅い流れになり、8頭立ての6番手と後方からの競馬になったネオリアリズムでしたが、3コーナー手前、残り1000m以上ある地点から一気に先頭へ。上がりの競馬ではなく、後半1000mの持続力勝負に持ち込んでの押し切り勝ちでした。
”マジックマン”モレイラ騎手の大胆な判断での見事な勝利。2度目の香港遠征で調整が巧くいったこともあったでしょうが、このモレイラ騎手の勝負勘の凄さがとにかく印象的でした。
さて今週はNHKマイルカップ。
今週の東京の芝コースは気温も上がり、芝がよく生えて路面も掘れていない良好な具合。速い時計が出ていますし、直線入り口である程度の位置にいないと上がりを駆使しても届かない状態になっています。
ニュージーランドトロフィーの時の、力の要る中山芝コースとは全く異なるコース設定になり、(例年のことではありますが)トライアルレースがステップレースとしては参考にならなさそうです。
今のところ1番人気は牝馬のカラクレナイ。前走ニュージーランドトロフィー組や、フタ桁着順の前走皐月賞組よりも、この馬やアエロリットのような桜花賞掲示板組が人気になっています。ただ、桜花賞の時の阪神コースは時計のかかる馬場。この掲示板に乗った馬をそうは重くは扱いづらい。。。
注目は最内枠に入ったモンドキャンノ。
今回ハイペースで引っ張るような逃げ馬は見当たりませんが、馬場を考えると前半の入りはそうは遅くはならないと思います。
モンドキャンノは前進気勢が強く、引っ掛かったりする心配がありますが、この手の馬に相性の良いルメール騎手に鞍上が戻るのは大きなプラスですし、無理なく前に馬を置ける枠順も好材料でしょう。
稽古でも周りに馬がいる状態での走りを重点的に学ばせている感がありますし、体調自体も前走時よりずっと良いように見えます。
他では前走の敗戦から中間思い切って立て直してきた感のある2頭、タイセイスターリーとガンサリュート。
タイセイスターリーは集中力を欠きやすいところがあるようですが、シャドーロール装着の効果が出れば面白い。巡航スピードはここでも上位でしょう。
ガンサリュートは新馬デビュー戦でペルシアンナイト(のちに皐月賞2着)、2戦目でリスグラシュー(のちに阪神ジュベナイルフィリーズ・桜花賞2着)、3戦目でカデナ(のちに重賞2勝)、前走はアルアイン(のちの皐月賞馬)と、この世代のトップクラスの馬に負かされて、G1だとまだ力が足りなさそうではあります。ただ、中間このレースを目標に強い稽古をこなしてきたにも関わらず馬体重がそれほど減っていないので、春になっての成長に期待して買ってみます。
前走は、スローの流れを後方外々を追走して直線一気に賭けるという、この馬に合わない戦法での大敗だったので度外視していますし、池添騎手に鞍上が変わるのも面白い。未勝利勝ちの時のように、前々で流れに乗りながら巡航速度の良さを活かして欲しいところ。
◎ モンドキャンノ
○ タイセイスターリー
▲ ガンサリュート
馬券は3頭の複勝狙い。馬連で嵌まれば好配当でしょうが、今回のメンバーだと何が上位に食い込んできてもおかしくないと思われるので、あまり張り込まずに予算控えめで考えています。
それではどうなりますか。