天皇賞・秋 予想

先週の菊花賞はキセキが優勝。

強い雨が降り続く中、各馬水しぶきと泥を跳ねあげ、馬場の内を空けながらのレースになりました。馬場発表はもちろん不良。

レースの上がり3ハロンのタイムが40秒ちょうどで、出走全馬の上がりタイムでこの40秒を唯一切ったのが勝ち馬キセキという、過酷なマラソンレース。

逃げたマイスタイルが2周目向こう正面で早々に失速したのを皮切りに、脚を無くした馬が次々と脱落してゆく展開になり、一番最後まで踏ん張れたキセキが体力と精神力で戴冠したような印象でした。パトロールビデオを確認すると、キセキも直線かなりササりながら走っており、どの馬も相当にしんどかっただろうなぁ、と。

戦前の見立てでは、血統表からは重馬場こなせる印象、一方で厩舎コメントとストライド走法からは重馬場不安、という評価でいましたが、当日のキセキは前肢をうまく使って地面をしっかり蹴っていて、歩幅が小さくならず、リズムも崩さず走れていました。道悪は上手だったと考えてよさそう。

もしも良馬場だったなら着順がガラリと変わりそうなレースでしたが、この勝ち馬は悪条件で浮上したわけではなく、悪条件にもかかわらず他馬をねじ伏せた印象。条件が特殊だったから勝てたなどと、先々実績を割り引いて考えるつもりはありません。

ただ、このレースでは相当に消耗したでしょうから、順調に回復できるかどうかは少々気がかりですね。

馬券の方は、本命キセキは勝ったものの、ワイドの相手が沈んで儲けにつながらず。

 

さて今週は秋の天皇賞

この週中も雨がたくさん降り、今降っている雨もレースまで止まない見込み。先週に引き続き道悪での競馬になりそうです。

今のところ人気は、春G1を2勝したキタサンブラックと、馬場の渋った宝塚記念キタサンブラックを破ったサトノクラウンが中心ですが、結構バラけ気味に馬券が売れているようです。

 

キタサンブラックの今週の稽古は、清水久嗣厩舎にしてはかなり珍しいくらいの軽めの調整でした。今回は鉄砲使いでのG1戦なのにしっかり追わなかった理由は調整に失敗したのか、目標を先のレースに置いた調整だからなのかはわかりませんが、この様子からは勝負気配は感じられません。

府中の2000mでロードヴァンドールに引きずられるような展開もこの馬向きとは考えにくく、今回は軽視します。

 

サトノクラウンは得意の渋った馬場になりそうで、おそらく強気に勝ちにくると思います。道中の位置は前でも後ろでもいける馬ですが、早めに自分から動いて4角先頭というような競馬になるのでは。

ただしフルゲート18頭出走での府中の2000m戦ならば、宝塚記念の時ほど巧く嵌まるかは疑問。イレこみやすい性格もあり、アタマからは狙いづらい1頭。

 

安田記念の勝ち馬サトノアラジンは府中コースが得意。

全姉がラキシスですから少々時計のかかる馬場なら向いていそうですが、不良馬場までなるとどうでしょうか。またエリザベス女王杯勝ちの姉と比べると短めの距離のレースの方が向いていて、2000mは少々長いとみるべきか、(余所でなく)府中の2000mでなら守備範囲とみるべきか悩ましいところ。

 

 

注目はネオリアリズム

前走香港での初G1勝ちから半年ぶりの出走になりますが、爪の不安も解消されたようで稽古の動きも良く見えました。

重・不良馬場の経験はありませんが、時計のかかる馬場では好成績を残していますし、この母トキオリアリティーの産駒は力馬揃いで地面をしっかり蹴る一族。相当な道悪になっても対応できそうです。

また今回テン乗りシュタルケ騎手も道悪得意。力の要る馬場で道中前目につけ、ゴールまで持たせてしまう技術と腕力がありますから、この天気でこのコンビは魅力的。

 

ヤマカツエースはシーズン終わりの荒れてきた馬場で狙いたい馬で、雨続きの開催4週目なら出番がありそうです。

レインボーラインは大崩れしないタイプで悪条件なら逆に狙いやすいか。

グレーターロンドンはキセキの叔父。道悪に対応は可能でしょうが、普段走っていない2000m戦でどうか。配合からはこれぐらいの距離でも合っていそうですが。

 

ソウルスターリングは良馬場だったら中心視しようかと考えていましたが、桜花賞での走りを見ると重馬場では割り引いて考えた方が良さそうです。

 

ネオリアリズム

ヤマカツエース

レインボーライン

△ グレーターロンドン、リアルスティールステファノス

サトノクラウンソウルスターリングディサイファ

 

馬券は、連勝系の相手候補をどこまで広げるかまだ考え中ですが、ネオリアリズムの単複とワイド流しに、ヤマカツエースレインボーラインタテ目を加えたものを考えています。

はたしてどうなりますか。