天皇賞・秋 予想

先週の菊花賞はフィエールマンの優勝。

序盤、スタートを決めたジェネラーレウーノがハナを主張すると内枠のアイトーンがすぐに控えたため、単騎先頭の展開に。序盤1000mが62秒7、中盤1000mが64秒2とかなりなスローペースになり、予想外の団子状態でレースが進みました。

緩い流れは2週目の下り坂に入ってもほぼ変わらず、直線2Fの上がり勝負に。

早めにポジションを押し上げ、4コーナーで先頭にとりついたエタリオウが大外から先頭に立つと、内でコースが開くのを待っていたフィエールマンが鋭く伸びてきて2頭の争いに。ゴール前、フィエールマンがエタリオウに併せに寄り、ハナ差競り落としたところが決勝線。

フィエールマンは下り坂を非常に巧くこなしていました。1周目の下りでは無理なくポジションを上げて先団の後ろ目の好位置につけ、2週目の下りでは脚を貯めながら前を捕まえられる位置をキープしていました。勝ち時計の3分6秒1は良馬場の菊花賞としては凡庸ですし、上がり3ハロン最速とはいえ5頭が横並びの最速タイ。この数字だけではどの馬が勝ってもおかしくないような中でこの馬が勝てたのは、レースが非常に巧いからではなかったでしょうか。

先に挙げた下りの巧みさの他にも、道中無理なくポジションを獲りにゆけるスピード、折り合って待機できる精神面の安定、鞍上のゴーサインに即座に反応し一気に加速できる身体能力。実質直線だけの勝負で、前の馬が壁になっていたのにも関わらず勝ちをもぎ取った要因は、器用さが強さに直結したからというように見えました。今回のレースでは、例年の菊花賞では求められないレヴェルのギアチェンジの巧みさが問われていたので、今後の大レース、例えばジャパンカップでも期待できる1頭だと思います。個人的にはドバイシーマクラシックで見てみたいなと。。。

馬券は本線の単勝と抑えの複勝が当たってなかなかの配当に。

 

さて今週は秋の天皇賞、G1馬が7頭揃った濃いメンバー構成になりました。

金曜日の晩に雨が降ったにもかかわらず、府中の芝コースは時計の出る馬場状態です。2歳馬でも33秒そこそこの上がりを使えているので、古馬G1の天皇賞はペース次第ではかなり高速決着になりそうです。

逃げ馬不在で展開は読みにくいですが、ダンビュライト陣営が控える作戦を明かしているので急流にはならないでしょう。アルアインかサクラアンプルールあたりの先導で前半はゆったり流れると予想しています。ロングスパートが得意なスワーヴリチャードやミッキーロケット、長く追えるオドノヒュー騎手を配してきたステファノスらの存在から、後半は一転激しい競馬になりそう。

 

注目はサングレーザー。

昨年の今頃はマイル戦線の上がり馬といった存在で、ちょうどスワンステークスで初重賞勝利を飾ったところでした。そこから秋・春のマイルG1に挑戦するも掲示板まで。今夏からは中距離路線に矛先を変えてきました。

札幌記念は時計のかかる馬場で前傾ラップというかなり厳しい消耗戦になり、サングレーザーはバテて下がってくる先行馬を交わしながら馬群を鋭く割って出ての差し切り勝ち。長く脚を使いながらもう一段速い脚も繰り出せるというこの馬の長所が出ました。

今回の馬場条件はそれとはかなり異なるでしょうが、府中の長い直線でロングスパート勝負を繰り広げるなら、この馬の”終いのもうひと伸び”がモノを言いそうです。

安田記念では外々を回るロスがありながらの0秒2差5着で、外枠(16頭立ての15番枠)が響いたところもあったかと思います。今回は13頭立てに収まりましたし距離の違いで序盤もそれほど忙しくないはず。

浅見厩舎流の調整で直前は軽めの稽古でしたが、先週日曜の坂路調教は抜群の気配。

モレイラ騎手の手綱でスムーズな競馬ができれば、強敵相手でも初G1のチャンスと見ました。

 

早め先頭で目標にされそうですが府中の2000mは適条件と見えるスワーヴリチャードが相手。

キセキは毎日王冠でようやく復調ぶりが見えてきました。中間も意欲的に稽古を積んでおり、輸送がうまくいけばかなりやれそうです。高速馬場でのロングスパート勝負は祖母ロンドンブリッジ譲りのスピードが活きそう。

左回りの府中で軽い馬場なら一発ありそうなヴィブロスにも警戒。

 

◎ サングレーザー

○ スワーヴリチャード

▲ キセキ

ヴィブロス

 

馬券はサングレーザーからの馬連・ワイド流しなどを考えています。

さてどうなりますか。