スタートしてすぐに隊列が決まり、クロコスミアが先導する流れは1000m通過61秒4。今年もスローペースになりました。しかも隊列はやや縦長で、2番手ミスパンテールと3番手プリメラアスールは道中前へ圧力をかけない様な走りでしたので、クロコスミアにとってはかなり楽な逃げだったと思います。向こう正面の登りから徐々に後続を引き離して4コーナーでスパート、一気に勝負を決めに。
直線、2列目がややモタモタして壁になったところ、外から出色の脚色で伸びてきたのがリスグラシュー。逃げ込みを図るクロコスミアを残り100mで捕えると、クビ差リードを保ちながら併せ馬の格好でゴール。悲願のG1初制覇となりました。
今回は、クロコスミアの岩田騎手の好判断が印象的でした。ゲートを出て他が行きたがらないのを見ると、すぐにハナを切ってマイペースに持ち込み、後ろからのプレッシャーが緩いことを利して、早めに勝負を決めに動きました。結果は去年と同じく直線でかわされての2着でしたが、逃げ切っていてもおかしくないレースでした。
番手以降の馬が少々だらしない競馬になってしまった中で、素晴らしい末脚を披露したのがリスグラシュー。予想以上に坂を上手に下ってくると、直線はスムーズに外へ持ち出し、内のゴチャつきを尻目に一気の加速。ここまでG1は未勝利・2着が4回と勝ち味の遅い馬でしたが、今回は決め手が炸裂しました。インに突っ込めば前の馬が壁になって詰まっていた可能性が高かっただけに、モレイラ騎手のコース取りも良かったと思います。パトロールビデオで見ていたら、とにかくストライドのロスのない効率的な進路選択でした。
昨年の優勝馬モズカッチャンは3列目からジリジリと伸びて来ましたが、逃げ馬を捕えるような速さには程遠く3着まで。休み明けでちょっと反応が悪かったでしょうか。
馬券はリスグラシュー・モズカッチャンのワイドが的中しました。
さて今週はマイルチャンピオンシップ。
蹄の故障が癒えず引退してしまったグレーターロンドンを除けば、マイル戦線の有力馬がほぼ揃った難解なメンバー構成になりました。
春の安田記念1・2着馬のモズアスコットとアエロリット、それに昨年のこのレースの勝ち馬ペルシアンナイトあたりが前売りオッズ上位に推されていますが、人気はかなり割れています。
京都は晴れて良馬場でのレースになりそうですが、芝は先週より更に時計がかかるようになっていてます。スローペースだったとはいえ土曜メインのアンドロメダステークスが2分0秒4の決着。古馬オープンで2000m2分を切れないような馬場に。
ハナを切るのはアエロリット・レーヌミノル・アルアイン・ロジクライあたりが候補になりそうですが、確とした逃げ馬不在の割には先行馬は揃っており、極端な上がりの競馬にはならないのでは。
軽い馬場での上がりの時計勝負にはならないという条件なら、安田記念の着順はアテにならないかな、、、という読みで、注目はステルヴィオ。
前走の毎日王冠はアエロリットに逃げ切りを許しましたが中団から良く追い込んでの2着。おっとりとした性格で序盤に行きたがらず、スローペースになると前半位置取りを悪くした分最後に届かない競馬になってしまいますが、今回はそれなりに前が引っ張る流れになりそうですし、差しも利く馬場なら初の京都コースでも面白いかと。
折り合いに不安の少ない馬なのでビュイック騎手への乗り替わりはそれほど気にしていませんが、最内枠を引いてしまったので外へ持ち出すタイミングがカギになりそう。合流点のある淀の外回りならずっと内のままでも良いかも?
稽古はかなり良く動いていたと思うので、コース経験や展開、相手関係、古馬との斤量差縮小などの諸々不安な点はありますが、それでも期待してみたい1頭。
他ではロジクライ。
そこそこのペースで先行しても、上がりもまとめられるという、スピードの持続力の高さが強み。ここ3戦重賞でも安定して走れていますし、下り坂が課題ですが大回りの淀マイルも悪くはなさそう。
こちらも稽古は良かったので、展開ひとつでは楽抜け出し→圧勝という可能性も。
週のアタマの時点では中心視しようと思っていたエアスピネルですが、こちらはあまり稽古が動けていないように感じました。少々時計がかかり始めた馬場は得意ですし、淀のマイルも主戦場。期待はしていますがどうでしょうか。
一方、稽古で抜群に見えたのがジャンダルム。
3歳になってから成績はあまり芳しくなく、前走・古馬との初対決になった富士ステークスではロジクライから0秒7差7着と完敗。ここでは苦しいかなと思っていましたが、追い切りではペルシアンナイト相手に余裕の先着。ガラリ一変で上位進出があるかも。
◎ ステルヴィオ
○ ロジクライ
▲ ジャンダルム
△ エアスピネル
馬券はステルヴィオ・ロジクライのワイドを本線に、4頭の馬連・ワイドのボックスを考えています。
はたしてどうなりますか。