東京優駿 予想

先週のオークスはデアリングタクトが優勝。

スタートして最初の1~2コーナー、ハナを主張したスマイルカナに対して外枠発走のウインマリリンが併せに行くようなそぶりがあって、ここで一瞬ペースが上がるかと思いました。実際はウインマリリンがすぐに引いてラチ沿い2番手に。これで隊列が定まってかなりのスローペースになりました。

断然の1馬人気のデアリングタクトは中団より後ろ、周囲を他馬に囲まれて身動きがとれないような位置。中団より前の馬群も密集隊形で、先行集団はペースが上がらないまま横へ広がりつつ直線へ。

直線に入って、先行馬群から外へ回したウインマイティーがまず抜け出しを図り、ラチ沿いでじっとしていたウインマリリンがこれに応戦する構え。内外やや離れたこの2頭で決まるかと思われたところ、更に外からデアリングタクトが一気の脚で追い込んできて、決勝戦手前で前を交わしてゴールイン。桜花賞に続く2冠達成となりました。決着時計は2分24秒4。

かなり速い時計の出る馬場だったので勝ち時計自体は凡庸なものですが、徹底マークを受け位置取りが悪かった道中と、前にズラッと他馬が並んで進路がなかった直線のシーンを合わせて考えると、デアリングタクトは苦戦を強いられながらもよく勝ち切ったなという印象です。

レースの上がり3ハロンが34秒2、道中2番手から2着へ残ったウインマリリンのそれが34秒0ですから、後方で包まれていた馬にはかなり不利な展開でした。残り350mぐらいの地点で左前方に僅かにできたスペースに飛び込んだ松山騎手の胆力、それに応えた馬の瞬発力とスピードの持続力、人馬とも素晴らしいレースぶりだったと思います。こういったレースで(惜敗ではなく)勝ち切ったあたり、今年の松山騎手は一味違う感じがしますね。

ヤマザクラは0秒5差7着。道中は中団内ラチ沿いで巧く脚を溜めていて、直線も内から馬群を割って伸びてきてはいたのですが前を交わすほどの勢いはありませんでした。上がり3ハロンの攻防でなく、もう少し早めにレースが動いていれば、、、といったところ。

馬券はハズレ。

 

さて今週は日本ダービー

東京でも緊急事態宣言は解除されましたが、引き続き無観客での競馬開催となり、ダービーも無人のスタンドの前で発走を迎えることになりました。残念ではありますが、この数ヶ月、開催を休まずレースを見せてくれた関係者に敬意を。

 

土曜日の府中の芝コースは逃げ馬の健闘が目立ちました。開催5週目に入りますが今週からCコースが使用され、先週に引き続き速い時計が出る馬場になっています。一方で、ここ最近のダービーウィークによくあるような、道中「内かつ前目」でないと勝負にならないといった馬場ではないような印象で、ラチから少し離れたところでも差しが届いていました。ただ、全般的にスピードを出しやすい馬場なので直線入り口で逃げ馬を射程にいれていないとどうにも届かない、前が止まらない。テンからポジションを獲りにゆくか、4コーナーでマクってゆくかしないと差し馬には厳しそうです。

人気は無敗の皐月賞馬コントレイルが単勝1.5倍前後でかなり支持されています。先週牝馬の方で無敗の2冠馬が誕生しましたから、それに引きずられているところもあるかもしれません。2番人気のサリオス以外の残り16頭は単勝10倍以上。

これといった逃げ馬がいないので今回展開は読みにくいですね。ビターエンダーはテンから飛ばす馬ではありませんし、コルテジアも稽古の様子からハナにはいかないような気がします。マイラプソディの友道調教師が積極策を臭わせましたが、終いだけ追ったような最終追い切りとの辻褄が合っていないような。。。

かつてダービーでキングヘイローを抑えきれず暴走、惨敗を喫した福永騎手ですが、あれから二十余年、逃げ馬不在のダービーでコントレイルをどう乗ってゆくのかというのはひとつポイントになると思います。

 

ビターエンダーか、大外枠のウインカーネリアンの先導で前半は超のつくスローペース、3~4コーナー中間から後続が動き始め上がり4ハロン勝負、直線入り口で既に馬群が横に広がっての攻防、、、というような展開予想をしてみましたが、全く自信がありません。

 

ロングスパート勝負となれば、皐月賞でマクリを決めたコントレイルがそのまま実績最上位となりますが、ここで問題となるのは2400mの距離でしょう。軽い馬場なのもあって、ダービー馬になるのに12ハロン向きの馬である必要はありませんが、コントレイル、それに2番人気のサリオスも含めていえば、彼らは2000mを克服したマイラーといったイメージ。道中馬群の中で我慢させた上でロングスパートをさせるのに、さらに2400m戦という条件を加えるのは酷すぎるように見えます。

ここまで人気を被っているので当然道中はマークを受けるでしょうし、あのピッチが効いた走法で広い府中コースで終いを伸ばす、というのはちょっとイメージが合わない。

 

では他の馬でコレといった存在がいるかというと、これも難しい。

 

一番の候補は皐月賞でも注目していたサトノフラッグですが、その皐月賞の負けっぷりがやはり不可解。陣営は稽古で仕上げすぎて本番では調子が落ち気味だったという風に分析しているようですが、パドックも返し馬もそんな風には見えませんでした。こちらの見積もりよりもあの道悪馬場がこたえたのかなとも思いましたが、そうすると、もっと悪路だった弥生賞の好内容は何だったのだとなります。

一方で、府中での上がり4ハロンの持続力勝負なら、トビが大きく綺麗なストライドのこの馬にはもってこいの舞台。これが上がり2~3ハロンの究極のトップスピード勝負だと分が悪いでしょうが、ハロンラップ11秒台をラスト4つ5つ並べるようなレースならコントレイルやサリオスを逆転する目も充分。皐月賞出走馬が13頭もいる今回のメンバーでも、距離延長への対応力は上位でしょうし、鞍上が武豊騎手に戻るのも好材料

『ソフトな仕上げ』と評された今回の追い切りですが、スムーズにストライドを伸ばせていて調子は上々と見えます。

力を信じきれないところはあるのですが、それでも、コントレイルの連勝を止めるのはこの馬かなと。

 

他で注目はディープボンド。

こちらも皐月賞の時から注目していましたが、この時は10着惨敗、ダービー出走権を獲れませんでした。中2週で京都新聞杯に回り、前半から厳しいペースで流れる消耗戦を勝ち切って賞金獲得。今回はさらに中2週でのダービー出走ですから、調子の上積みには期待していませんでした。

ところが今週の稽古では、大きなストライドから見た目以上の好時計。中間も稽古量が落ちていませんし、前走以上のパフォーマンスも期待できそうな勢いです。

中山の2000m戦よりは府中の2400m戦の方がずっと向きそうで、直線早めに進路が確保できれば終いまでしっかり伸びてきてくれるでしょう。

ノースヒルズの看板をコントレイルから奪うような走りを是非。

 

◎ サトノフラッグ

○ ディープボンド

 

2頭とも外目の枠を引いてしまいました。あまり好材料とは言えませんが、2頭ともテンから飛ばしてゆくわけではないので、どこの枠でも変わらず期待。道中できるだけスムーズに運べることを祈りながら。。。

馬券はサトノフラッグの単勝が本線、ディープボンドの単複も買うつもりです。あとは2頭のワイドか、三連複総流しか。3頭目を絞っての三連単マルチも考えています。

さてどうなりますか。

いつもと違うダービーですが、ファンの熱量は変わらずに。そして全馬どうか無事に。