先週の菊花賞はコントレイルが優勝。
ダービーの時もそうでしたが、今回もノースヒルズ勢の連携プレイが奏功。スタート直後、マイペースの逃げで連勝中のバビットが出かかるところ、外から猛然と被せに行ってハナを奪ったのがキメラヴェリテ。ディープボンドは先団5番手の外目に構え、その1列後ろにコントレイル。ディープボンドが譲ればいつでもコントレイルが外へ持ち出せる陣形を早々に作り上げました。
ペースはキメラヴェリテががくんと落としてかなり緩いペース。最初の1000mが62秒2、中盤1000mが62秒6。天気が良かったためか土曜日よりも日曜日の方が速い時計が出やすい馬場になっていて、予想記事を書いていた時よりも少し速い決着になりそうな予感があったのですが、このペースはノースヒルズ陣営にしてもちょっと緩すぎるのではないかなと見ていました。
ペースが遅ければコントレイルの距離面の不安をカバーできるでしょうが、走破時計が遅くなれば他の馬でもマークしきれてしまうのではないかな、と。
3コーナー坂の下りでもそれほどペースアップはなく、直線手前でようやくディープボンド・コントレイルがスパート。コーナリングで外へ持ち出してコントレイルが先頭に立ちますが、スタート直後からコントレイルの半馬身後ろでピッタリマークしていたアリストテレスがついてきて2頭の追い比べに。一度はアリストテレスの脚色の方が優勢に見えましたが逆転には至らず、クビ差でコントレイルが先着ゴールイン。
「7戦7勝!無敗の三冠達成!」とレース実況は興奮していましたが、正直なところ、そこまでの好レースでもなかったなという印象。いや、無敗の三冠馬誕生ですから本邦競馬史の歴史的なシーンであることは間違いないのですが、ノースヒルズ勢の連携の前にいいようにやられっぱなしで、同世代の牡馬が弱かったなぁという思いの方が強い。
ディープボンドがチームオーダー関係なしに脚を溜める乗り方をしてくれたら、とか、サトノフラッグの博打(先行勢が崩れる方に賭ける)が当たってくれてたら、などありますが、盛り上がるシーンがあまりなく三冠が終わってしまったな、と。最後のアリストテレスの抵抗も、勝ち時計が3分5秒5程度なら他にもマークできる馬がいて当然よね、といった印象。
この三冠馬がホンモノなのかどうかは、次走まで判断を待ちたいところ。もしもコントレイルの次走がジャパンカップになれば、牝馬三冠のデアリングタクトや古馬トップクラスの馬との対決となって出走馬レヴェルは一気に上昇。格好の試金石になります。是非是非、態勢を整えてここに出走してきてほしいところ。
狙っていたターキッシュパレスは2秒4差14着。道中はほぼ最後方。スローペースでレースが流れる中、仕掛けも遅く終始後方のまま。見どころのないレースで非常に残念。一方、他の狙い馬のディープボンド・サトノフラッグは際どい3着争いを演じ、勝ち馬から0秒6差3着がサトノフラッグ、0秒7差4着がディープボンド。
馬券はサトノフラッグの複勝が当たりましたが『負けなかった』程度の払い戻しに。
さて今週は秋の天皇賞。
出てくれば人気になるはずだった3歳馬サリオスが回避したため、古馬12頭の争いに。
断然の人気はアーモンドアイで、単勝1.5倍前後。少し離れてクロノジェネシス。今年の芝の古馬中距離路線は大阪杯(ラッキーライラック)も宝塚記念(クロノジェネシス)も牝馬が制していて、人気サイドの決着なら天皇賞も牝馬が勝つことになりますが、はたして。
この秋の府中の芝コースは高速決着のイメージはありませんが、3~4コーナーの内などが荒れていて外からの差しも良く決まっている印象がありました。今週からBコース使用になって内の先行馬が台頭するか注目していましたが、土曜日のレースを見た感じでは、柵が移動してもまだ内寄りはあまり良くなさそうな印象。上がりも結構速く、土曜の古馬1勝クラス(天皇賞と同じ2000m戦)では推定上がり33秒0で勝ち馬は差していました(このレースはかなり遅いペースでしたが)。去年よりは時計のかかるコンディションだと思いますが、それでも勝ち時計は1分57秒を切るぐらいのレースになるのでは。
キセキが差しに回るようになったので、外からジナンボーがおっつけてゆくにせよ、内から馬なりにダイワキャグニーが進出するにせよ、ゆったりとした流れになりそう。12頭だてならそれほどゴチャつくこともなく、直線入り口辺りまでは淡々と進みそうで、上がり勝負となるのでは。別の仕掛けがあるとすればキセキかウインブライトのマクリか。
アーモンドアイは安田記念から5ヶ月ぶりのレース。勝った昨年と同じローテーションで臨みます。道中ペースが緩みそうなのはこの馬にとっては悪くない材料で、得意の高速馬場とまではなっていませんが現状のコースコンディションも影響はないと見ています。
気になるのは馬体がちょっと大きく見えすぎる点で、追い切り後の馬体重も496キロと少々重め。安田記念の敗因のひとつはスタートで反応悪く後手を踏んだことでしたから、馬体が仕上がり途上で反応が今ひとつの状態なら他馬に後れをとるシーンがあるかも。
注目はフィエールマン。
G1を3勝の実績馬も、長距離専門と見られているのか馬券はそれほど人気になっていません。
超のつく高速馬場でマイラー仕切りのレースをやられたら分が悪いかもしれませんが、そこまで軽い馬場でもなく、かといって道悪でもなく、前半ゆったりと流れるレースが予想される条件ならば、2000m戦でも評価を下げる必要はないかと。
上がり2~3ハロンの勝負になっても、或いは何かがマクっていってロングスパート消耗戦になっても、この馬には末の決め手も心肺の強さもありますし、なにより反応が良いので勝負どころを逃がさない。
主戦のルメール騎手をアーモンドアイに譲る格好になったのはややマイナスですが、真ん中の偶数枠を引いてどっしり構えられるのは好材料。
稽古も良く動いていたと思います。こちらは馬体もスッキリ。オールカマーを熱発で回避しましたが、立て直して仕上げられていると見ました(反動があるとすれば次走か?)。
◎ フィエールマン
○ ダノンプレミアム
▲ ダイワキャグニー
△ スカーレットカラー
注 アーモンドアイ
馬券はフィエールマンからのワイド流しを本線に、単勝と馬連を考えています。
さてどうなりますか。