ダイタクバートラムとアドマイヤドンと

ダイタクバートラムが引退 (netkeiba.com)
ダートの首領、アドマイヤドンが引退 (netkeiba.com)


一昨日ダイタクバートラムの先行きが心配だという記事を書いた矢先、引退と種牡馬入りが昨日発表されました。故障を再発したようで、今後は太陽ファームに繋養されるとのこと。
繋養先が太陽ファームということで、プライベート種牡馬になるのかもしれません。あるいは兄のダイタクリーヴァも引退後、太陽ファームから大きな種牡馬場へ移動したようですので、同じようになるかもしれません。


「ダイタク」のオーナーが競馬界から撤退されて、「生産の雅牧場、育成の太陽ファーム」の関係性が変わってくるかもしれませんが、故郷の牧場が当馬の身元を引き受けるとの話ですので、おそらくは今までと変わりない運営方針だろうと予想され、近い将来、雅牧場からも産駒が誕生することと思います。


種牡馬入り後の展望ですが、社台系のGIを勝った馬クラスの期待はかけられないとしても、なかなかの活躍馬を出したり、将来産駒が故郷の良い繁殖牝馬として牧場に残るぐらいの働きは充分期待できると思います。ステイヤー実績(阪神大賞典など3000m超で3勝)もさることながら、1800mの北九州記念レコード勝ちなどの「速さ」も魅力的です。
なんといっても幸運なことは故郷が雅牧場だったことで、馬産の方針が急転換しなければ、簡単に使い捨てされる心配はなさそうです。


ダイタクバートラムと兄・ダイタクリーヴァは、父がダンスインザダークフジキセキで、共にサンデーサイレンスの孫にあたる、3/4同血の兄弟です。また、牧場の先輩で、水沢の重賞を勝ったリリーサージャンの父のダイタクサージャンは従兄になります。
このダイタクサージャンサンデーサイレンス×テスコボーイ×ネヴァーイチバン(牝)という血統で、ダンスインザダーク(その父サンデーサイレンス)×サクラユタカオー(その父テスコボーイ)×ネヴァーイチバンのダイタクバートラムとは非常に近い血統構成をしています。また、両馬の叔父にあたるダイタクヘリオスの子供ではGI馬・ダイタクヤマト種牡馬になっています。


雅牧場ではリーヴァ・サージャン・ヤマトの3頭とも交配に使っていて、ここにバートラムが加わるとなると、その使い分けが少し心配になりますね。繁殖牝馬の血統構成がどれも似かよったものになり、さらに生産馬同士の交配によって近親度が高まって弊害が出ないかと。。。
ですが、雅牧場はこういうことをしてしまう牧場ですから、外野の心配などまるで杞憂に終わるのではないかと思います。あちらでは近親交配によるリスクなんてものはたぶん承知の上のことなのでしょう。ダイタクバートラムの血についても、門外不出の馬産のノウハウを駆使して、きっと将来、産駒から強い馬を出してくることと思います。


ダイタクバートラムの引退と時を同じくして、アドマイヤドンも現役を引退し、種牡馬になることを発表しました。こちらは門別のブリーダーズスタリオンステーションで繋養されるとのこと。
この両馬には共通点があって、どちらも近親に活躍馬が多く、半兄弟が種牡馬入りしているとが挙げられます。比較的遠い将来の話になってしまいますが、内国産種牡馬の産駒が国内・海外でもっと活躍するようになり、日本ゆかりの血が広まったならば、スプリングネヴァーの4×5、とか、ベガの4×5、などというインブリードを持つ活躍馬が誕生するかもしれません。
Mumtaz Mahal や Selene を例に挙げると「吹きすぎ」ですが、名繁殖牝馬の血は競走馬の能力にかなり強力に影響すると見ています。両馬やその兄弟が種牡馬として成功すれば(アドマイヤベガは惜しくも早逝してしまいましたが)、そのまた将来に楽しみが広がりそうです。


これ以上書くとツッコまれた時にボロが出るので、ここまでにします(笑)。