先週のエリザベス女王杯はゴール前の激しい首位争いから、モズカッチャンが僅かに先着して優勝。
京都の芝コースは思っていたほど悪くもなく、そこそこ速い時計も出る馬場になっていましたが、このエリザベス女王杯はかなり遅いペースで進みました。クロコスミアが2番手で手綱を抑えるような作戦をとったこともあって、1000m通過62秒0、上がり3ハロンの勝負となりました。
距離への不安があったからなのか、クロコスミアの和田騎手は体力を温存する策を選び、それは悪くはなかったのですが、勝つには少し仕掛けが遅過ぎた印象。
クロコスミアの2馬身後ろの内ラチ沿いで脚を溜めていたモズカッチャンが、先に抜け出したクロコスミアに直線じわじわ詰め寄り、交わしたところがゴールでした。
流れが遅く、後方待機の馬には見せ場が作れない展開の中、直線大外一気の脚を繰り出したミッキークイーンがタイム差なしの3着。強さを見せつけましたが、勝ちには至らず。
ヴィブロスは遅い流れでかかってしまい、それを鞍上が抑えて苦労しているうちにポジションが悪くなり、末も甘くなって掲示板どまり。牝馬の難しいところが出てしまったでしょうか。
ディアドラはスタートでやや後手を踏んでしまい、そのまま後方待機で末脚に賭ける作戦になり、まったく展開向かず12着惨敗。見せ場作れず。
モズカッチャンはスピードの緩急をつけにくいところがあり、追い出されてもすぐには反応できず、トップスピードに乗るまでに時間がかかるような面があります。それは今回も見られ、坂の下りから仕掛けられていたようなのにいったんはクロコスミアに突き放されていました。デムーロ騎手のゴールから逆算したかのような仕掛けのタイミングとスピードに乗るまでのコース取り、馬自身の優れた体力が噛み合っての勝利でした。
さて今週はマイルチャンピオンシップ。
京都の芝は今週からCコースに変更になりましたが、雨で土曜日は重馬場に。日曜日は陽が出て乾いてきそうですが、例年より時計のかかる決着になりそうです。
この秋は道悪の競馬が多いですが、マイルチャンピオンシップの前哨戦はスワンステークスも、富士ステークスも、天皇賞も道悪となりました。春の安田記念の時は、前哨戦はマイル重賞らしからぬスロー連発、本番はロゴタイプの渾身の逃げで1分31秒台の決着という対照的な組み合わせになりましたが、秋のマイル王決定戦は別の意味で前哨戦が参考にしづらいものになりそうです。
馬券はかなり人気が割れ加減で、イスラボニータ・エアスピネル・レッドファルクスの3頭が単勝5倍を僅かに切るぐらいのオッズで並んでいます。どこから買っても配当はそれなりにつきそう。
テンがゆっくりめで中盤でペースアップする逃げ馬・マルターズアポジーの先導なら、ここに出てくるような先行馬は追走に苦労しないでしょう。後方でじっくり構えていると、直線は届かないかも。
注目はG1初挑戦になるウインガニオン。
全8勝中右回りは1勝のみですが、ワンターンの直線平坦のマイル戦ならそれで嫌う理由にはならないでしょう。
マルターズアポジーより外枠を引いたので、外から併せる形か、2列目からの追走になりそうです。追い出されてからの反応の良さと、突き放す脚があるので早め先頭からの粘りに期待。
時計がかかる馬場も問題なく、予想以上に雨が残るようでも大丈夫でしょう。むしろこの点ではマルターズアポジーより優れていそうですから重馬場ならこの馬のペースになるかも。
夏競馬の後間隔をあけてじっくり態勢を整えてきたのも好感があり、1週前の坂路で50秒8と好時計を出した今回は馬券妙味あり。
乗り替わりは印象よくないのですが稽古で動いていたエアスピネルと、京都芝コース未経験で下り坂対応が気になりますが地力上位のレッドファルクスが強敵。
3歳馬のサングレーザーとアメリカズカップは古馬との斤量差が1キロに縮められるのが気になるところですが素質は高く、力の要る馬場・京都コースはともに得意とするところ。内の好枠を利して脚を溜められれば面白そうです。
◎ ウインガニオン
○ レッドファルクス
▲ エアスピネル
△ アメリカズカップ
△ サングレーザー
注 ガリバルディ (展開の助けは必要そうだが、昨年は上がり最速で0秒4差7着)
馬券はウインガニオンの単複・ワイド流しと、レッドファルクス=エアスピネルのタテ目を中心に、三連複か馬連を買い足すことを考えています。
さてどうなりますか。