マイルチャンピオンシップ 予想

先週のエリザベス女王杯はラッキーライラックが優勝。

スタート直後、デムーロ騎手がラヴズオンリーユーを促してテンから前へ出してゆくというまさかの展開。

内からクロコスミアが応戦してこちらがハナ、ラヴズオンリーユーが番手という隊列になりましたが、末脚を活かしたいラヴズオンリーユーがこの位置に収まると、おのずとその他の馬は番手を見ながらのレースになり、結果クロコスミアの楽なペースに。

スローペース自体は予想していましたが、1000m通過62秒8、1200m通過75秒6というペースはいくらなんでも遅過ぎで、しかも他馬を離しての単騎逃げ。皆がラヴズオンリーユーを見ていますから『クロコスミアに鈴を付けに行く』役目はそのラヴズオンリーユーが負わなくてはならないのですが、この馬も下り坂で前に詰め寄れず、全く予想外の展開になってしまいました。

直線入り口ではクロコスミアが4~5馬身リード。ラヴズオンリーユーが追いますが、ヨレて内へ外へと進路を変える苦しい走り。2頭の後ろに5頭ほどが横一線に並んで追い込んでくる中、一番内のラッキーライラックがポッカリ開いた内ラチ沿いを力強く伸びて差し切り。

ラッキーライラックは道中中団、予想よりは後ろからの競馬になりましたが、内枠スタートからインコースをキープして淡々と進み、存分に脚を溜めていましたね。馬の行く気にまかせていたら、おそらくもう少し前のポジションだったのではと思いますが、スミヨン騎手はこれをよく制していました。

4コーナーでは外に出すような挙動を見せていたのですが、直線入り口で最内に狙いを定めると猛スパート。一気に3番手まで進出すると、前との脚色の差は歴然。そのままゴールまで伸びて鮮やかな差し切り勝ちでした。ここ数戦、内容の濃い先行レースを見せながら詰めを欠いていましたが、今回は差しに回って久々の勝利。スミヨン騎手のゴール前の強さが際立ったレースでした。

クロコスミアは完勝の形に持ち込みながら失速して0秒2差2着。このレース3年連続の2着で、毎年同じようにゴール直前で止まっているのは、単純に体力が足りない・スピードが足りないというよりは、決め手を出し切った後の粘りがなさすぎるせいなような気がします。走りは軽やかですが、重みが足りない。

ラヴズオンリーユーはクロコスミアをアシストするようなレースで3着。デムーロ騎手は明確に先団のポジションを獲りにいったと思いますが、これは失敗だったと思います。単独2番手は想定外だったかもしれませんが、坂はゆったりと下りたいが前は捕まえなくてはならない、自縄自縛で苦しい形に持ち込んでしまいました。

クロコスミアが抜けて馬券はハズレ。

 

さて今週はマイルチャンピオンシップ

京都の芝コースは今週からCコース使用。開催が進んではいますが晴れの日が続いて、まずまず速い時計が出る良馬場でのレースになりそうです。

ただし今回のメンバーは徹底先行型がおらず、逃げた経験のある馬もマイルG1で速いペースで行けるとは思えない馬ばかり。レース決着は馬場に比してだいぶ遅くなるかもしれません。

 

人気はダノンプレミアムとダノンキングリーの同馬主の2頭が1、2番人気に。毎日王冠を制したダノンキングリーを天皇賞に出さなかったのは使い分けをするからなのかと思っていましたが、今回は2頭出しに。経緯はわかりませんが若干気になるところ。

 

ダノンプレミアムはスローペースからの上がり2~3ハロン勝負で強い馬で、今回は展開に嵌まる可能性が高そうな1頭。前走天皇賞では不向きな展開ながらアーモンドアイの2着に入っており、4歳秋の充実期なら今度こそ、と思わなくもないのですが、中2週となるローテーションが不安なところ。

蹄が弱い馬なので、間隔が詰まったり連戦が続いたりするのは良くない材料。無事に回ってくれば強そうですが、果たして。

 

ダノンキングリーの方は、中盤が緩まず厳しい流れの方が向きそうなので今回はどうでしょうか。56キロを背負い古馬との斤量差が縮まること、戸崎騎手の負傷で乗り替わりになること、初の関西遠征と考え合わせると、こちらの方が危険な人気馬に見えます。(同馬主で使い分けをしないのなら、この馬も天皇賞の方で見たかったなと)

 

他で気になるのがダイアトニック。

京都外回りは5戦5勝で、坂を下りながら助走をつけるのが巧く、更に直線の急加速もできる馬。前走のスワンステークスは外から強襲して(外が伸びる馬場でしたが)鮮やかな差し切り勝ち。進路選択に間違いが少なく、ゴール前までしっかり脚を使わせられるスミヨン騎手らしい一戦で、今回も継続騎乗となればG1でも期待。

6戦5勝の1400m戦と比べると、5戦1勝のマイル戦の成績は見劣りしますが、マイルが長いということはないでしょう。ここで結果を出せれば、暮れの香港でも楽しみになりそうです。

 

稽古での脚の回転の速い動きが印象的だったカテドラルの一発と、良馬場で前半・中盤が緩むならアルアインの巻き返しにも警戒。

 

◎ ダイアトニック

○ ダノンプレミアム

▲ カテドラル

アルアイン

 

馬券は馬連と三連複のボックスと、ダイアトニックからのワイド流しを考えています。ダイアトニックとダノンプレミアムの組み合わせは少し厚めで。

はたしてどうなりますか。