まずは3週前の安田記念について。
安田記念はダノンキングリーが優勝、悲願のG1制覇となりました。
逃げると思われたトーラスジェミニが番手に控え、内からダイワキャグニーがハナへ。ダイワキャグニーはテンから押していったというよりは、好位で流れに乗りたかったような挙動に見え、実際にレースはペースが上がらずゆったりとした流れに。
このメンバーでこの馬場ならば、600m通過34秒9、800m通過46秒4ははっきりと遅い部類。ペースも隊列もあまり変わらず4コーナーに入り、勝負は直線600mの攻防に。
内外にズラッと馬群が広がった中、インの芝が悪い部分を避けたコース取りをしたインディチャンプが残り200mで先頭に立つと、内目の進路を通った馬たちは失速。インディチャンプの外を並んできたシュネルマイスターと、大外を鋭進してきたダノンキングリーを加えた3頭の勝負になりかかりました。
そこへ加わってきたのがグランアレグリア。スローペースにも関わらず道中はかなり後ろ目からの競馬で、直線に向いても馬場の良い外目は前が壁。やむなく内に進路を切り替えてインディチャンプの内側を掬うように突っ込んで来ました。
が、そこは芝のあまり良くないコース。地力でインディチャンプに競り勝ったグランアレグリアでしたが、大外を伸びたダノンキングリーには僅かに及ばず、ダノンキングリーが先着。
ダノンキングリーは、2000mのG1だとペースが上がらずに斬れ負けし、1600mのG1だとペースが速すぎて決め手を欠くような、悩ましい戦績の持ち主でしたが、マイルで緩い流れになった今回は自身の巡航速度にピタリ嵌まって決め手も活きました。テン乗りの川田騎手のペース判断やコース取りも良かった。直線では馬群が外へ外へと流れるような向きもありましたが、内からの圧力にも脚色を鈍らせずに終いまで力強い走りができていました。
狙っていたグランアレグリアはタイム差なしの2着。
中2週という詰まったローテーションに対して、予想の段階から精神面の心配はしていましたが、暴発して前半から脚を使ってしまう方ではなく、行きっぷり悪く後方から、スローペースでも前に取り付けない展開になってしまうとは意外でした。レースに対しての前向きさがなく、よっぽど疲れていたのかなと。。。
上がり3ハロン32秒9、最後はタイム差なしの2着まで詰めていますから底力は見せましたが、チャンピオンホースとしては今回は残念な結果に。
馬券はハズレ。
さて今週は夏のグランプリ宝塚記念。
仁川の芝コースは開催2週目(最終週)で、春の連続開催時の傷みがまだ残っているものの、内外の馬場差はあまりなさそうな、まずまず良好な状態。オープン馬でも33秒台で上がってくるのは難しいかとは思いますが、良馬場であれば勝ち時計2分12秒前後の決着にはなりそう。ただし、天気予報では傘マークも見えているので雨量によってはガラリと状況が変わるかも。
故障馬などで、数ヶ月前までの報道よりはだいぶ軽いメンバーになってしまいましたが、それでもグランプリ3連覇がかかるクロノジェネシスを初め、実力馬が揃いました。人気はそのクロノジェネシスを筆頭に、レイパパレ、カレンブーケドールと牝馬が上位を独占しています。
ユニコーンライオンが最内枠を引き、レイパパレが2番枠。おそらく前者が難なくハナに行って、後者が番手から進める形になるでしょう。阪神2200mコースは序盤の直線部分でペースがかなり上がることもあり、今回ユニコーンライオンがどういうペースで逃げるかは不透明ですが、番手が川田騎手ならば、後続馬の脚を削るペースに持ち込むでしょうが無茶なハイペースにはしないはず。
昨年の優勝馬クロノジェネシスは今回はドバイからの帰国後初戦。大阪杯経由で春3戦目だった昨年とは臨戦過程がかなり異なります。帰国後はしっかり休ませ馬体を回復させた上での調整で、やや急仕上げな印象。1週前追い切りのかかり具合から察するに、海外遠征の疲れは抜けていそうですが、目標レースへの仕上がり具合としては特に精神面に不安が残ります。
内回りコースは得意ですし、シーズン終盤の力の要る馬場も歓迎。道悪実績もあるので好走条件は揃っていますが、テン乗りのルメール騎手との間できちんと折り合いがつくかどうか。レイパパレの演出するレース展開に楽についてゆけるようならグランプリ3連覇も。
6戦無敗のレイパパレは初の2200m戦。血統面ではこのあたりまでなら距離延長にも対応しそう。
稽古では馬体重の数字以上に体を大きく見せ、走りも軽快。こちらは態勢が整った印象。
大阪杯でハナに行って後続を完封できたのは鞍上にとっても自信になったはずで、今回も前走同様、後ろの馬の脚を削りながら得意の消耗戦に持ち込むのでは。
ただ、この馬の狙う早目のラップを刻んでの消耗戦はクロノジェネシスにとっても有利な展開で、外回り向きのレイパパレが3~4コーナーで減速すると一気に捲られてしまう可能性も。
こちらも道悪OK。
どちらが有利とも、2頭で決まるとも言い難いのですが、敢えて順番をつけるなら調整過程が順調に見えたレイパパレの方が上位かなと。
あとは、レイパパレ川田騎手のレース仕切りに付き合わず(または付き合えず)に、自らの出せるベストタイムで走ってきそうな馬を人気にかかわらず拾う感じで。
◎ レイパパレ
○ クロノジェネシス
▲ ミスマンマミーア
△ シロニイ
△ カデナ
馬券は5頭の馬連ボックスを考えています。
さてどうなりますか。