菊花賞出走馬16頭について、血統の母系直系(ボトムライン)をさかのぼり、日本に輸入された繁殖牝馬 およびその馬から出走馬までに経た世代の数をまとめました。(表中のカッコ内は生年)
着順 | 馬番 | 馬名 | 人気 | SS | 父 | ボトムラインの土着度 |
1 | 7 | ディープインパクト | 1 | 直仔 | サンデーサイレンス | ウインドインハーヘア(1991)より2世代目 |
2 | 6 | アドマイヤジャパン | 6 | 直仔 | サンデーサイレンス | アグサン(1985)より3世代目 |
3 | 4 | ローゼンクロイツ | 3 | 直仔 | サンデーサイレンス | ローザネイ(1988)より3世代目 |
4 | 11 | シックスセンス | 2 | 直仔 | サンデーサイレンス | ディンスカヤ(1993)より2世代目 |
5 | 14 | フサイチアウステル | 5 | Stormin Fever | 外国産馬 | |
6 | 5 | アドマイヤフジ | 4 | 父父 | アドマイヤベガ | アドマイヤラピス(1992)より2世代目 |
7 | 1 | コンラッド | 7 | 父父 | ダンスインザダーク | ダンシングアウンティー(1990)より2世代目 |
8 | 15 | マルブツライト | 11 | メジロライアン | ミスバンブトン(1950)より6世代目 | |
9 | 9 | エイシンサリヴァン | 16 | El Prado | 外国産馬 | |
10 | 3 | ミツワスカイハイ | 15 | 父父 | ダンスインザダーク | ビューチフルドリーマー(1903)より10世代目 |
11 | 12 | ピサノパテック | 8 | 直仔 | サンデーサイレンス | ブラダマンテ(1986)より3世代目 |
12 | 2 | ヤマトスプリンター | 10 | マヤノトップガン | ソネラ(1919)より11世代目 | |
13 | 16 | マルカジーク | 13 | 直仔 | サンデーサイレンス | エターナルビート(1996)より2世代目 |
14 | 13 | ディーエスハリアー | 12 | コマンダーインチーフ | デプグリーフ(1974)より3世代目 ※ | |
15 | 8 | シャドウゲイト | 9 | 母父 | ホワイトマズル | ナイトライト(1953)より7世代目 |
16 | 10 | レットバトラー | 14 | 直仔 | サンデーサイレンス | スカーレットインク(1971)より3世代目 |
※ デプグリーフの母・デプス(1970)も日本に輸入されているが、デプグリーフはデプスが輸入される前にアメリカで産んだ馬なので、ここではデプグリーフを始祖としている。
ここ15年のうちに導入されたばかりの牝系が多いですが、一方では「小岩井牝系」のビューチフルドリーマーら、牧場の基礎牝系として大切にされてきた牝系の健闘も目立ちます。
〔参考〕
ノーザンテースト・・・ 1975年輸入 (1982〜92 リーディングサイヤー)
リアルシャダイ・・・ 1983年輸入 (1993 リーディングサイヤー)
サンデーサイレンス・・・ 1991年輸入 (1995〜2004 リーディングサイヤー)
ちなみに、昨年1月から今年の菊花賞まで、JRA平地GI競走は34レースありました。勝ち馬は27頭で、外国調教馬サイレントウィットネスを除く26頭は、
来日1世代目(マル外) =1頭(1勝)・・・タップダンスシチー
来日2世代目 =11頭(16勝)・・・ディープインパクト・ゼンノロブロイ他
来日3世代目 =6頭(6勝)・・・エアメサイア他
来日4〜6世代目(戦後導入) =3頭(4勝)・・・ラインクラフト他
来日7世代目〜(戦前導入) =5頭(6勝)
7世代目 マイネルレコルト
9世代目 スイープトウショウ
10世代目 イングランディーレ・ツルマルボーイ
11世代目 カルストンライトオ
という分布でした。
1980年代以降に(特に社台系牧場に)導入された牝系が多数を占めています。一方では戦前から続く牝系出身で5頭も勝ち馬が出ていますし、4〜6世代目の3頭(アドマイヤマックス・ラインクラフト・アドマイヤグルーヴ)も、先の2頭の祖がファンシミン、アドマイヤグルーヴの祖がパロクサイドと、社台グループを長年支えてきた牝系出身となっています。日本で生き残ってきた血は、日本の競馬への適性を示し続けてきたわけで、やはりあなどれませんね。
「日本は種牡馬の墓場」「日本固有の血統が根付かない」という意見がありますが、血統表を上(サイヤーライン)から見るだけでなく、下からも見てみれば、違った印象になるのではないでしょうか。