ウオッカとギムレット、その妻とご先祖様

注目の阪神の新装コース。
意外と前が止まらないものだな、というのが1週目の芝コースの印象です。それと、各騎手とも探り探りでレースに乗っているせいで、どのレースもスローペースになりがちでしたね。ニュービギニングが勝った新馬戦が2000mを2分8秒フラットというのが象徴的。(その時計を見てメジロブライトみたいだと思ったのですが、後で確認したらあちらは函館芝1800mを2分1秒6。レヴェルが違った(笑)。)
直線の坂で前が止まらないのが、スローペースのせいなのか、それとも直線が長くなったぶん助走距離がとれ、勢いをつけて登れるようになったせいなのかはまだ判断つきませんが、外回りのレースはしばらくは先行馬に注意しておいたほうが良いかな、という印象。


そこへゆくと阪神ジュベナイルフィリーズの1分33秒1というのは、価値基準がまだ定まっていないにしても驚きの勝ちタイムだと思いました。外から豪快に伸びたウオッカが1着、最後は競り落とされたものの好位から抜け出たアストンマーチャンがタイム差なしの2着、逃げて高速ラップを刻んだルミナスハーバーも0秒6差で3着に残り、展開・脚質の有利・不利はなし。かつてなら「魔の桜花賞ペース」で先行馬や自分から勝負しに動いた馬が全滅するようなペースだったと思いましたが、そうはならなかったのは新装コースのおかげか、この出走馬のレヴェルの高さゆえか。
来春のクラシックへ向けて、これから新星は登場するでしょうが、桜花賞までならば今回の上位入線馬はそうそう崩れないのではないか、となんとなく予想しています。はたして。


勝ったウオッカ(ウォッカではなくウオッカなのですね)は両親と同じオーナーの持ち馬で、この配合でGIを勝つのはたまらないだろうな、と思います。そんな機会に恵まれるとは素直にうらやましい。
祖母までは"トウショウ"の牧場の馬で、近親にはシーイズトウショウシスタートウショウ。さらに遡ると名牝シラオキを介して、小岩井牝系の横綱格・フロリースカツプにゆきつくボトムライン。フロリースカツプが来日したのが1908年ですから、いつぞやJRAのCMで流れていた「ハナミズキ」ではないですが、ほぼ100年つづいた至宝の血統です。
今年はこの歴史ある牝系が大活躍で、先述のシーイズトウショウの他にも重賞勝ち馬が多数出ました。復活したメジロマイヤー、上り馬オースミグラスワン、障害のテイエムドラゴン、そして二冠馬メイショウサムソン
上位3頭の父がタニノギムレットアドマイヤコジーンアグネスタキオンというところに「サンデーサイレンス後」の新味を感じつつ、母方の方に歴史を感じる、そんなGIでした。


馬券の方は2着馬を完全に切っていたのが痛かったでしたが、狙った4頭はすべて掲示板確保。ここ1ヶ月ほど、レースの読みは悪くはないみたいです。ルミナスハーバーの体重が減っていなければワイドを買えたな、とは思うものの、投資金額は少なかったので損害は少々ですみました。