予想に反してハナを切って行ったのはノームコアでした。速い時計の出るコースコンディションで上がり勝負には持ち込みたくなかったのでしょうか、積極的に序盤から出してゆきましたが、馬が気負ってペースを落ち着かせることができませんでしたね。単勝2番人気の馬の暴走で淀みない流れで向こう場面へ。
道中2番手のリアアメリアはおそらく事前の作戦ではスローペースに落としたかったのでしょう、ノームコアを無理に追いかけることなく自分のラップを刻もうというような走りでしたが、後続に突っつかれる苦しい展開。2番手以降も速い流れで、なかなかペースが落ちないなと思いながら観ていました。
縦長の隊形で先行馬には苦しそうな展開、一方で馬場は前有利のコンディション。勝利への決め手は騎手の判断と、馬の地力でした。
3コーナーで道中後ろから5番手あたりにいたウラヌスチャームがロングスパートを仕掛けると、ウラヌスチャームの1列前で折り合っていたラッキーライラックがこれの後ろについて先団に進出。ラッキーライラックは4コーナーで更に外に持ち出すと一気に前を捕まえ、直線入り口で先頭に。
直線では外からラヴズオンリーユーとサラキアが猛然と追いこんできますが、ラッキーライラックは最後の登坂でも脚色衰えず、クビ差凌いで先頭ゴール。昨年に続いての連覇となりました。
勝ったラッキーライラックは大外枠からの発走で、序盤にどうポジション獲りをするのかがレースの勘所と見ていたのですが、ルメール騎手の判断は前に馬を置いて折り合いをつけることを最優先にして、内・前という理想は捨て置くというものでした。道中は中団後ろ目の外にいましたが、ミスニューヨークあたりの陰で馬を落ちつかせて巧く脚を溜めていましたね。
3コーナーからのスパートについては、タイミングも馬の反応も最高でした。ラッキーライラックは残り800~400mの2ハロンをおそらく22秒台前半で走破しているのですが、内回りのコーナーを高速でマクっていってのこのタイム。さらにこの後、直線の上り坂もこなしてラスト2ハロンを22秒台後半でまとめ、リードを保ってゴール。他馬とはちょっと地力が違っていました。2着サラキアとの着差はわずか0秒1ですが、この時計の差以上に力の差を感じました。
2着サラキアは怖がりなところがあって、今回は縦長の隊列になったのが良かったように思います。後方外目をリラックスして走れたのが末脚発揮に繋がったのでは。
2着とタイム差なしの3着ラヴズオンリーユーは、外回りだったら2着はあったかなという印象。
ロサグラウカは1秒1差15着。こちらはスタートで後手を踏んで先行できず、序盤で終戦といった感じでした。
馬券は単勝とワイドが的中しました。
さて今週はマイルチャンピオンシップ。
阪神競馬場も好天続きで、先週ほどではないにしても速い時計の出る馬場になっています。ただ、内ラチ沿いの芝に傷みが出始めているのか、結構外差しも効いている印象。
前走にて溜め逃げの作戦で久々の勝利を挙げたカツジがいますが、おそらくハナを切るのは内枠を引いたレシステンシアになるのでは。これにラウダシオンあたりがついていって、3歳馬の先導で淀みない流れになりそう。
この3歳世代の大将格がサリオス。
今のところ、現3歳世代はあまり強くないという印象を持っているのですが、この馬に関してはコントレイルに唯一対抗してこれた牡馬でそこまで軽く扱わなくても良いかなと考えています。
菊花賞も天皇賞もパスして、ここが毎日王冠以来のレース。阪神の芝マイルは朝日杯を制した実績があります。今回レシステンシアが引っ張る流れはおそらく急流で、ビアンフェがハイペースを刻んだ朝日杯と似たような流れになるかも。ペースが速くても先団につけられるスピードと心肺能力があるので、ヘンに緩んで馬群がゴチャつく可能性が低いのは歓迎材料。
余力充分で押し切った毎日王冠の内容から、古馬との斤量差が1キロに縮まってもまだ大丈夫と見ました。
稽古では馬が走る気がありすぎて併せ馬にならず、判断が難しいところ。阪神マイル戦なので大外枠でも気にせず買おうと思っているのですが、外に馬がいない状態でずっと走るのはどうなるのかな、というのは少し懸念している点です。
きちんと流れに乗れればという条件付きで期待。
カツジは前走スワンステークスの勝利がフロック視されて、今回も人気薄のままですが、ニュージーランドトロフィー勝ち馬でもともと地力はあった馬。ここのところは出遅れ癖で流れに乗れず凡走大敗といったレースが多かったのですが、前走ではスタートを五分に決めてテンから行き脚がつくレースができていました。今回は中団からの競馬になりそうですが、前走が良いきっかけになっていれば再度の好走も。
◎ サリオス
○ グランアレグリア
▲ カツジ
△ インディチャンプ
馬券は馬連ボックスと、カツジの単複を少々と考えています。
さてどうなりますか。