先々週の天皇賞はイクイノックスの優勝。
府中の良馬場は速い時計の出る軽い馬場でした。速いラップを刻める先行馬が揃い、1分56秒台での決着必至かなという予感と共に各馬ゲートイン。
ここのところテンのダッシュがイマイチだったパンサラッサが好スタート好ダッシュでハナを奪いインへ。ジャックドールが外から並びかけますが、更に外からノースブリッジがかかりながらハナを窺う勢い。これにジャックドールの藤岡(兄)騎手が手綱を引いてポジションを譲り、ノースブリッジは左右にヨレながらスピードダウン、代わりにじわっと外から進出してきたバビットが番手に収まりました。ここがレースのポイントになりましたね。
ハナのパンサラッサは向こう正面に入ると後続を突き放すハイペースの逃げ。一方2番手のバビットはグッとペースを落とし、以降の馬群は超のつくスローペース。前と後ろで両極端のレースとなりました。
1000m通過は57秒4。
3~4コーナーでもパンサラッサはペースを緩めず、後方集団は逆にペースが上がらず15馬身以上の差。大差がついたまま直線へ。
残り400mの時点でも10馬身ほどのリードを保っていたパンサラッサですが、直線の上り坂からバテて明らかにペースダウン。
一方超スローからの直線ヨーイドンという競馬になった後方集団からは、早めに外目の進路を確保したイクイノックスと内に切れ込んで馬群から抜け出てきたダノンベルーガが良い脚色。
内で必死に粘ろうとするパンサラッサに対して、外からイクイノックスが捕らえ、かわしたところが決勝線。
勝ち時計は1分57秒5。
勝ったイクイノックスはまだ体もしっかりできていない3歳馬。間隔を詰めてレースに使えず、速い巡航速度を求められる消耗戦にも不安がある馬。今回は超スローからの上がり勝負で見事な決め手を発揮し初のG1タイトルを獲れましたが、勝因は2番手以降の集団がスローペースだったことと、パンサラッサが少し早めに失速してしまった分、決着時計がそこまで速くならなかったことかなと考えています。
パンサラッサが終い大きくラップを落とすのは毎度のことですが、今回は気持ち失速しはじめが速く、セーフティリードを作り切れなかった。レースの上がり2ハロンのラップタイムが12秒4-12秒7ですが、本来のパンサラッサのレースならば11秒台-13秒ちょうどぐらいでまとめられていたはず。この馬場状態ならば前半からもう少し速いラップで逃げていてもおかしくなく、走破時計1分57秒6で0秒1差2着というのは、立派は立派ですがあまり評価できない結果ですね。この展開だったらもっとやれていて、圧勝してもおかしくない。
凡戦と断ずるほど見ごたえのなかったレースではありませんでしたが、なにかこうスカッとしないレースになってしまいましたね。
狙っていたポタジェは0秒9差13着。スローペースからの上がり勝負になってしまっては出番がありませんでした。
馬券はハズレ。
さて今週はエリザベス女王杯。
本来ならば在位70周年記念競走の冠がつくはずだったのが、英国女王陛下が亡くなったため副題はなしに。それでも今年は追悼記念競走の意味合いがあり、好レースを期待したいところ。
仁川の芝コースは連続開催6週目。内ラチ沿いの傷みは見られたものの時計の出る状態はキープされてきましたが、日曜日は雨予報が出ており、雨中の開催で一気に力の要る馬場に変わりそうな予感も。
内枠を引いたローザノワールがペースを作りそう。この馬は緩急両方の逃げを打てる馬ではありますが、たとえペースが緩くなっても内回りコースと雨予報ならばレースは早めに動き出すはず。道中好位から終いしっかりと脚を使えるタイプを狙いたい。
注目はアンドヴァラナウト。
小柄で馬格がないのが常々気になっていた馬ですが、4歳秋を迎えて結構成長してきたような印象があります。ムキムキの筋肉質というには程遠いのは確かですが、肩のあたりの筋肉が良くみえるようになって、力強さを感じるようになってきました。
春のヴィクトリアマイルで狙った時は、当日大幅馬体重減に、レース序盤の位置取りも悪く勝負になりませんでしたが、今回の雰囲気と枠順ならば昨年の秋華賞(3着)以上の着順も期待できそう。
主戦の福永騎手が降ろされたのは歓迎材料ではありませんが、序盤からの位置取りが肝になりそうなこのレースで鞍上に指名されたのがポジション確保の名手ムーア騎手ならば文句はなし。
初距離となる2200m戦も血統配合面からは問題なく、阪神の急坂は既に実績あり。
1年ぶりの勝ち星と戴冠に期待。
◎ アンドヴァラナウト
〇 マジカルラグーン(半兄ノヴェリストとは全く別の印象。超のつく高速馬場でなければ日本の馬場でも対応できるのでは。先行抜け出し警戒)
▲ ジェラルディーナ
△ ウインキートス
馬券はアンドヴァラナウトの単複と、4頭の馬連ワイドボックスを考えています。
さてどうなりますか。