安田記念 予想

先週の日本ダービーはドウデュースが優勝。

ゲートが開いて、外枠から押してハナを主張しに行ったのがデシエルト。内からスッとアスクビクターモアがデシエルトの後ろに進出し、1~2コーナー中間あたりで隊列はほぼ決まりました。

ハナのデシエルト、2馬身半差の番手のアスクビクターモアが単騎で、3列目のピースオブエイト・ビーアストニッシドまでが先団。縦長の隊列の中、人気上位の馬は揃って中団の後方。ジオグリフ・ダノンベルーガを前に見る形でドウデュース。イクイノックスは大外枠発走も響いて後方3番手から。

1000m通過は58秒9。非常に速い時計の出る馬場コンディションでしたが、それでもこのラップは淀みのないハイペース。

3コーナー手前で少しペースが落ち着いたように見えたのですがまたラップが速くなり、3~4コーナーでは脚が上がり始めた3番手以降が前の2頭から離され気味に。

直線入り口、馬ナリでアスクビクターモアがデシエルトに並びかけると、直線の坂の上りで先頭へ。そこからアスクビクターモアは馬場の良い進路を求めたのか、それとも少しバテ始めたのか、理由はよくわかりませんが斜めにコース中央へ。距離ロスがあったところへ後方から追い込んできたのがドウデュースとイクイノックス。

残り300mあたりでアスクビクターモアを並ぶ間もなく交わすと、レースは2頭の勝負に。

道中から常にイクイノックスの前を抑えていたドウデュースが最後まで交わさせず、そのまま先頭ゴール。

勝ち時計2分21秒9はレースレコード。ドウデュースの鞍上武豊騎手はダービー6勝目に。

消耗戦寄りのラップでも上がりの速い決め手を繰り出せるというドウデュースの持ち味が、見事に発揮されたレースでしたね。皐月賞で遅いペースで持ち味を封じられながらも、後方から鋭い脚を使って3着に追い込めた地力はやはり世代最上位でしたか。

朝日杯のレースぶりからマイラーとして大成しそうなイメージを持っており、2000mの皐月賞はともかく2400mのダービーは資質と合わないのではと見ていましたが、中団後方から外へ持ち出すと、脚の回転が非常に速いピッチ走法で矢のような伸び。軽めのスピードが活きる馬場だったとはいえこの条件でこの末脚は予想外の素晴らしさ。おまけにダービーレコード。お見それしました。

また、当日は晴れ上がり気温も高かった東京競馬場。6万人もの観客が集まったスタンド前発走ということもあって発汗の目立つ馬も多い中、ドウデュースは非常に落ち着いた様子でゲートに入れていました。心身ともに良い状態でレースに臨めていたことも大きな勝因でしょう。

今後は凱旋門賞挑戦というプランも聞かれるドウデュース。欧州1.5マイル路線への適性はまだ疑問が残りますが、あのピッチ走法で消耗戦を差し切る心肺能力というのはなかなかに魅力的で、かつてエルコンドルパサーがピッチ走法で凱旋門賞を好走した例を思い浮かべると、遠征が実現すれば楽しみになります。

狙っていたアスクビクターモアは0秒3差3着。

スローからの上がり勝負では分が悪いので、前半からペースを上げて粘りこみを図る積極的なレースプラン。勝ち馬・2着馬の追い込みが鋭すぎて併せ馬の形に持ち込めなかったのは残念でしたが、持ち味を発揮した好レースだったと思います。あのペースで行っても充分に粘れる、巡航速度と体力が身についているのは分かったので秋は楽しみですね。菊花賞の有力候補でしょう。

馬券はアスクビクターモアの複勝が的中。4.1倍と配当もまずまずでした。

 

 

さて今週は安田記念

日本競馬の父、安田伊左衛門JRA初代理事長の生誕150周年という節目の年。グランアレグリアやダノンキングリーという昨年のチャンピオンマイラーは引退してしまいましたが、なかなかの好メンバーが揃いました。

府中の芝コースは先週に引き続きCコースを使用。週中に雨はありましたが、週末は乾いた良馬場。速い時計の決着になるのはほぼ確実ですが、4コーナーからゴール前まで内ラチ沿いの芝の傷みが目立ち、土曜日は外を通った差し馬が目立っていた点が気になるところ。

ロータスランドかレシステンシアあたりがハナに行きそうですが、G1としてはペースはそう速くはならなさそう。

天気予報からは、どうやらメインレースは雨に降られず迎えられるのではと予報。すると、前半スローでも上がりの速い勝負で、1分31秒台前半あたりの決着となりそう。

 

注目はダノンザキッド。

本質的には中距離向きの馬だとは思うのですが、強すぎる前進気勢のため、ゆったりした中距離戦のペースではヒートアップして自滅してしまう危険性のある馬。そのためペースの上がるマイル戦線へ昨秋から転向してきました。G1レヴェルのマイル戦では気合の入ったペースメーカーに出会う確率も高く、そうなるとこの馬には逆に忙しすぎると思うのですが、昨年のマイルチャンピオンシップのようにペースが落ち着くと好条件。馬がリラックスできるちょうどよい塩梅になって道中折り合え、グランアレグリアから0秒2差3着という好結果につながりました。

今回もおそらく前半はペースが落ち着き後傾ラップのレースとなりそうで、ここまでスムーズに走れている府中コースとの相性も考えると条件はかなり良さそう。

前走中山記念ではスタートで失敗して大きく出遅れ、盛り返しを図るも異常なペース(パンサラッサの後続の脚を殺す逃げ)に嵌まって、参考外ともいえる惨敗でした。3ヶ月半と充分に間隔を開け、心身ともに充実を図っての今回は、見た目にも馬体が大きくかつ引き締まって、稽古の動きも抜群。

1年半ほど勝利から遠ざかっていますが、ここらあたりで一発が期待できそう。

 

◎ ダノンザキッド

〇 ファインルージュ

▲ シュネルマイスター

△ カテドラル

△ ダイアトニック

△ エアロロノア

△ ホウオウアマゾン

 

馬券はダノンザキッドの単勝馬連・ワイド流し、抑えにファインルージュ=シュネルマイスターのタテ目馬連を考えています。

「安田伊左衛門生誕150周年記念 第72回農林水産省賞典安田記念」ということで安田隆行厩舎丼で決まればかなりな高配当。世間では1400m専科と見られているフシもあるダイアトニックですが、個人的には距離の融通は利く方だと思うんですよね(ムラっぽいのは確かですが)。

さてどうなりますか。