菊花賞 予想

先週の秋華賞はデアリングタクトが優勝。

馬場状態は稍重発表。晴れてはいましたが予想していた以上に力の要る馬場で、特に内ラチ沿いは路面が掘れて走りづらそうでした。

好発を決めたマルターズディオサが先行。2列目のインで進むようなイメージで予想していましたが、田辺騎手はハナを主張して押し出してゆきました。隊列が決まったらペースを落としたかったところでしょうが、ホウオウピースフル・ウインマリリンに絡まれ楽はさせてもらえませんでした。前半1000mを59秒4での通過は、馬場を考えると先行勢に厳しいペースだったと思います。

デアリングタクトは前半は中団より後ろのバラけた馬群の外目につけ、とにかく包まれないような安全な位置をキープしようといった意図が見えました。

中盤もなかなかペースが落ちず、馬群やや縦長で3コーナーに入ると様相一変。デアリングタクトが馬群外目を通って好位に取り付き、これをマークするように中団の各馬も仕掛け、馬群は一気に凝縮。オーマイダーリン・パラスアテナ・ソフトフルートらはデアリングタクトの外から競りかけようとしたため(しかしマクリきれず)、直線入り口では横にズラッと広がった隊列に。

外々を回した分距離のロスはありましたが、直線でデアリングタクトの前を塞ぐ馬はなく、あとは純粋な末脚比べ。馬場の外目を悠々と、そして力強く抜け出し、デアリングタクトが余裕の先頭ゴール。無敗の牝馬三冠達成となりました。

2着馬との差は1・1/4馬身差(0秒2差)でしたが、着差以上の完勝。鞍上の松山騎手は不利さえ受けなければ勝てるという自信があったのでしょう、とにかく安全な位置を選んでレースを進めていました。また馬も立派にそれに応え、特に3コーナーで機敏に動いて、かつ終いまで長く良い脚を使った点は素晴らしかった。

デアリングタクトをマークして果敢に勝負しにいったソフトフルート・パラスアテナが3着4着で、デアリングタクトが上がった後のスペースに潜り込んだマジックキャッスルが2着を『拾った』ようなレースでした。18頭のうちの17頭までは、もう一度レースをやったら着順がすべてひっくり返ってもおかしくないような印象。

マルターズディオサは1秒0差7着。不向きな荒れ馬場で頑張っていましたが、道中ペースを落とし切れずに最後は息切れ。

ヤマザクラは2秒3差14着。好位の内目で競馬を進めていましたが、終始、荒れたインコースを走り続けていては伸びきれない。

馬券はハズレ。

 

さて今週は菊花賞

デアリングタクトに続いて、牡馬も三冠馬誕生なるかと注目されています。

その二冠馬コントレイルが馬券では断然の人気。単勝は1.1倍からオッズが動きません。1.3倍までは上がらずに締め切りを迎えそうな勢い。

淀の芝コースは先週に引き続いてのAコース使用で、時計はかかっています。芝が傷んでいる様子も顕著で、力の要る馬場。菊花賞は出走馬全馬が未経験の3000m戦ですが、中距離戦でのスピードの優位性よりも、体力の優劣がモノを言いそうな今年のレース条件に。

 

二冠馬コントレイルはここまで完成度の高さから、同世代相手に土つかずの6連勝。スローペースでも折り合えて、直線反応よくスパートをかけられる優等生で、中距離戦ではここまで同世代の誰も勝負に持ち込めていません。唯一の好敵手候補だったサリオスも秋は天皇賞へ向かうため今回は不在。

ですので、同馬についての今回のポイントは、淀の3000mを3分5秒で走れるのかどうかという点かと。

レース中の不利の有無については予想しづらいものがありますが、同馬主のディープボンドと実質同じチームのキメラヴェリテをラビットにできるので、進路を塞がれるような不利は考えにくい。

一方体力面については不安が。ダービー、神戸新聞杯と芝2400m戦を連勝してきていますが、時計面ではそれほど高評価はできず、この馬のベストパフォーマンスは1800m戦の東スポ杯。この先、古馬相手のレースでは1600~2000m戦あたりが最も勝負できる土俵になるのではと見ています。

今の淀の芝は体力を削いでくる難しい条件で、いかにラビットを壁にして折り合っても二度の坂越えの消耗は相当激しくなるでしょう。連勝が止まるならここでは。

 

狙うのは、ここまでの実績よりも、配合などから長距離戦で上昇しそうな馬を。

 

ターキッシュパレスは中距離戦では決め手のスピードに欠け、不良馬場を助けに2勝クラスを突破してきたような馬。力の要る馬場での体力勝負は向いています。

馬体の完成度もまだまだのように見えますが、血統面では距離延長は歓迎。Nureyev + Sadler's Wells +Never Bend と欧州でよくみかける組み合わせをベースに、『長距離でもバテない馬』になっています。

Lorenzaccio 5,6×6 という大番狂わせ(Nijinskyを破っての英チャンピオンステークス勝ち)の血も内包していて、一発の魅力あり。

 

ディープボンドは淀での好成績もあり、距離延長も対応できそうなので狙いたい1頭なのですが、おそらくコントレイルの為の立ち回りを要求されそうなのが残念なところ。道中無理せずじっくり溜めれば好勝負が期待できるのですが。

サトノフラッグは秋初戦がゴール前案外な結果だったのが不満ですが、中間の気配からは叩いた上積みはありそうです。大きく人気を落としていますが、弥生賞を見ても荒れ馬場は向いているでしょうし体力勝負なら見直せます。

 

◎ ターキッシュパレス

○ サトノフラッグ

▲ ディープボンド

 

馬券は3頭の単複を考えています。中でも、人気は全くないですがターキッシュパレスの単複を厚めに。

さてどうなりますか。