有馬記念 所感

有馬記念はクロノジェネシスが優勝。

スタートでモズベッロが大きく出遅れ、キセキもダッシュがつかず出負けして後方から。特にキセキは戦前逃げ宣言をしていただけに、レース展開が予想から大きく狂うことになりました。

逃げ宣言を出していたもう1頭の馬、バビットがハナを切りますがペースはスロー、1000m通過は62秒2とかなり遅い流れとなりました。また、コースも予想以上に荒れていて、ぎこちない走りをしていた馬も多く見られました。

中盤の動きで目立ったのはフィエールマン。ルメール騎手は超スローの展開を感じると、1周目から前目のポジションを奪いに出ていましたが、向こう正面からはさらに前へ出していって2番手のポジションで3コーナーへ。中盤に控えていたクロノジェネシスは、フィエールマンの動きを見るように3コーナーから動いて、これをマークする位置へ上げました。4コーナーではハナのバビットにフィエールマンがほぼ並び、半馬身差のポジションにクロノジェネシスが上がって直線の攻防へ。

直線まずフィエールマンが先頭に立ちますが、外からクロノジェネシスが並びかけ、内外やや離れての叩き合いに。馬場が堪えるのか上り坂では優劣がつかず、上がり切ってからのラスト100mでクロノジェネシスがやや前に出る。対するフィエールマンが一杯に粘るところ、後方から大外を伸びてきたのがサラキア。脚色はサラキアが良かったものの、クロノジェネシスがリードを守り切って先着ゴール。勝ち時計はかなり遅めの2分35秒0。タイム差なしの2着がサラキアで、最後僅かに遅れたフィエールマンが0秒1差の3着。

 

クロノジェネシスとフィエールマンの勝負にサラキアが割って入ったような結果でした。

まずは3着のフィエールマンについてですが、レースが超スローペースに陥ってしまったので、早めに好位に進出しての自力勝負に出たのは、悪手ではなかったと思います。直線まで中団でじっとしていても、トリッキーな中山コースでは進路を見つけるのに苦労する羽目になりかねませんし、この荒れた馬場で2ハロンのトップスピード勝負をやるのはあまり賢い選択とは思えません。それにこの馬の場合、着を拾いたいわけではなくて勝利が欲しかったのでしょうから、リスクを負ってでも勝負に出るのは間違いではない。

一方でクロノジェネシスの方もこのペースは想定外の展開だったと思いますが、前でフィエールマンが仕掛けるのを見て、相手をフィエールマン1頭に絞っての競馬に徹することができた。ここが大きな勝因だと見えました。シーズン終わりの力の要る馬場が得意というのも有利に働きましたが、スムーズに競馬を進めて勝ち負けに持ち込めたことが非常に大きかった。

2頭の間に割って入ったサラキアは末脚に賭ける乗り方で残り400m時点ではまだ後方にいました。上がり3ハロン最速の35秒4(唯一の35秒台)で追い込んできた脚は見事なものでしたが、個人的には勝ちにこだわった前述2頭の方により大きな拍手を送りたいですね。

 

馬券はサラキアが抜けてハズレ。見ていて面白いレースになりましたけど、馬券の上では残念な結果になりました。2012年のこの有馬記念でルーラシップ(引退レース)が酷い出遅れをしましたけど、まさか息子のキセキもやらかすとはね。。。(これで引退させてしまうのかしらん?)