先週のNHKマイルカップはラウダシオンが優勝。
予想通り、この日の府中の芝コースはかなり速い時計の出るコンディションで、先行馬に有利な条件となっていました。また風も強く、向こう正面追い風・直線向かい風。これも先行馬には有利だったのでは。
まず内枠からレシステンシアがスッとハナに立つと、外から並びかけたラウダシオンはこれとケンカせずに外ピッタリ半馬身差で追走。前半800mは46秒0でしたが、このレース条件では先行馬に楽なペースだったでしょう。
前2頭に続いて後続16頭がひとかたまりのようになって4コーナーを回り、大きく横に広がりながら直線へ。
道中2列目にいたタイセイビジョンらが追いかけてくるものの、レシステンシア・ラウダシオンの前2頭との差はなかなか詰まらず。早々にレシステンシア・ラウダシオンの一騎討ちの様相に。
残り200m付近でレシステンシアがやや苦しくなるとラウダシオンが単騎先頭となり、そのまま流れ込むようにゴールへ。
ラウダシオンはテンからポジションを獲りに行って、レシステンシアの作るレースの流れに巧く乗れたのが勝因でしょう。レシステンシアが3コーナーで少しだけペースを緩めたのはこの馬にとっても息を入れられるポイントになりましたし、4コーナーからじわじわロングスパートに入ったのも緩急の差が激しいレースが不得手そうなこの馬に向く流れとなりました。
0秒2差2着のレシステンシアは、パドックでも体が細くなっていて万全な様子には見えず、やはり調子落ちだったのかもしれません。今回の展開なら、終い突き放してゴールとなっても不思議ない、理想的なレース運びに見えたのですが、ガス欠になって最後まで競り合えませんでした。この馬の体調がもう少し良ければ、同じ『行った行った』の決着にしてももうちょっと見応えのあるレースになっていたでしょう。少々残念。
ルフトシュトロームは0秒5差5着。ゲートの出が今ひとつで、外の馬に前をカットされて道中のポジションがかなり後ろになってしまいました。直線では内を狙いましたが、前方にズラッと馬の壁ができてしまってコースがなく、残り200mでようやく進路が出来て追い出されるも5着まで。脚を余した格好で不完全燃焼な一戦となってしまいました。
馬券はハズレ。
さて今週はヴィクトリアマイル。
土曜日の府中は雨が降り続いて、芝コースは稍重発表だったのですが、かなり速い時計が出るコンディションになっていました。メインの1400m戦・京王杯は道中スローペースだったので勝ち時計は1分19秒8どまりでしたが、レース上がりが33秒1の逃げ切り勝ち。道中後方から4着に追い込んだラヴィングアンサーはなんと上がり32秒4。日曜日は雨が上がって陽射しもありそうな予報になっており、馬場が乾いたらどれだけ速い時計が出ることになるんでしょうか。
ハナをきりそうな馬がコントラチェック・トロワゼトワル・セラピアといづれも真ん中より外目の枠に入ってしまいました。展開が読みづらいのですが、この馬場と明日の天気予報から考えると、たとえ格落ちでもハナへ行った馬の前残りは注意したいところ。
馬券の人気はアーモンドアイが抜けた人気。特に単勝は1倍台と、牝馬同士のレースとはいえ買われ過ぎの印象もあります。
そのアーモンドアイは、形の上では昨年暮れの有馬記念以来5ヶ月ぶりのレース。
その有馬記念は本来ならば『出る予定になかったレース』で、熱発で香港遠征を取りやめた替わりに急遽変えた目標レース。調整が万全でない中でハイペースに体力が持たず、リスグラシューから1秒8差9着と惨敗してしまいました。
今年の上半期はドバイから香港へ海外を転戦するつもりだったようですが、新型コロナウイルスの影響で、最初の目標だったドバイターフはレース直前で中止となり、帰国・検疫・再調整を強いられることになってしまいました。
有馬記念も、今回も、アーモンドアイにとっては『出る予定になかったレース』。陣営はアーモンドアイに中距離戦向きの調整を施していたはずで、ドバイから帰国後のひと月半でマイル戦向けの体に仕上げるのは、いかにチャンピオンホースといえど難しいのでは。
馬場コンディションも相まって、差し脚不発の確率は高いとみました。
注目はビーチサンバ。
ここ2戦、今回も出ているサウンドキアラに完敗していますが、テンのポジション獲りがあまりよくないのが敗因でしょう。ワンペースでダラッと先行させて渋とい馬なので、内枠から前のポジションを獲れれば結果は変わりそうですし、今の府中の芝コースには合っていると思います。
ここに来て体がひとまわり成長したようで、稽古で走る姿も迫力がありながらも均整のとれたフォームになっています。今までの『重賞で掲示板どまりの馬』というイメージから少し上のレヴェルに達しているかもしれません。
◎ ビーチサンバ
○ プリモシーン
▲ シャドウディーヴァ
△ セラピア
△ トロワゼトワル
△ コントラチェック
△ ノームコア
馬券はビーチサンバのまず単複が本線。連勝系はパドックとオッズを見て考えます。
今年の東京新聞杯と似たような展開もイメージしているので、相手候補にはまず勝ち馬プリモシーンと2着馬シャドウディーヴァ。特に、内ラチ沿いにこだわってインをじわっと伸びてきたシャドウディーヴァは今回も条件は合っていそう。他は逃げ馬候補と昨年の勝ち馬ノームコア。組み合わせ次第では、ワイドでも結構つく目もありますね。
さてどうなりますか。