天皇賞・秋 予想

先週の菊花賞はタイトルホルダーが優勝。

テンからはっきりとハナを主張してタイトルホルダーが先行。レース後の鞍上のインタビューから察するに、隣に他馬を置かずに愛馬にリラックスした状態で走ってもらうための、作戦通りの単騎逃げだったようです。

スタートで後手を踏んだワールドリバイバルが内からハナを窺うそぶりを見せますが、タイトルホルダーは譲らず、逆に4馬身程のリードを取って1周目直線へ。最初の1000m通過は60秒ちょうど。

向こう正面に入ってタイトルホルダーはグッとペースを落とし息を入れますが、他馬もペースを落としたため後続との差はそれ程縮まらず。やや縦長の隊列。ステラヴェローチェ・オーソクレースらは中団後ろ、レッドジェネシスは後方2番手で、人気どころとは大差を保って3コーナーへ。2000m通過は2分5秒4。

3コーナーで後続が前との差を詰めはじめると、タイトルホルダーは残り800mあたりから馬ナリのままペースアップ。すると先団の他馬は早くも一杯になり始め、4コーナーでは3馬身のリードができて直線へ。

直線を向いて仕掛けられると、タイトルホルダーはひと伸びしてあっという間にセーフティリードを作り、激しい2着争いを尻目に悠々と先頭ゴール。最後の一冠を逃げ切りで制しました。

勝ち時計3分4秒6。

今回については、横山武史騎手のレースプランもお見事だったし、タイトルホルダーの持久力、巡航速度、それに終盤のもうひと伸びの決め手も素晴らしかった。完勝でしたね。

菊花賞の逃げ切りと言えば、1998年の横山典弘騎手とセイウンスカイのそれが思い浮かびますが、あの時は序盤中盤終盤1000mずつ区切って59秒6・64秒3・59秒3のラップで3分3秒2の走破時計。息子の横山武史騎手はタイトルホルダーに乗って60秒0・65秒4・59秒2のラップで3分4秒6。良く似たラップ構成ですね。

単純な時計比較ではセイウンスカイの方が速いのですが、終盤下り坂と平坦コースの淀と違って今回はゴール前に登坂がある仁川なので、中盤まで充分なリードを取った逃げ馬にこのラップでまとめられると他馬には手も足も出ない。タイトルホルダーのレースぶりもセイウンスカイに劣る所はありません。完封して何もさせない圧勝劇でした。

ヴィクティファルスは1秒5差10着。道中中団から4コーナーで進出、セオリー通りに直線入り口で先頭を射程に・・・という騎乗だったのですが早々に脚を無くして脱落。レッドジェネシスは1秒7差13着で、こちらは道中から後方、3コーナーでも押し上げができずいいところなく完敗。

タイトルホルダー本命でしたが馬券はハズレ。

 

 

さて今週は秋の天皇賞

週中に少し雨の日がありましたが、府中の芝はおおむね良好なコンディション。土曜日は準オープンのマイル戦で1分32秒9の決着。一昨年の天皇賞(1分56秒台で入線した馬がゾロゾロ)ほどの超高速馬場ではなさそうですが、去年並みの時計は出る良馬場でのレースとなりそうです。レース上がり33秒そこそこで、1分57秒台前半の決着となりそう。

今回のメンバーは昨年とはガラリと刷新された面々。前年からの連続出走馬は前回8着のカデナのみ。また天皇賞の重要ステップレースの毎日王冠・京都大章典・札幌記念の勝ち馬・2着馬が揃って不在で、人気上位は大阪杯以来のコントレイル、安田記念以来のグランアレグリア、ダービー以来のエフフォーリアと鉄砲使いの馬が占めています。

逃げ馬不在、前に馬を置いて折り合いたい先行馬が多く、ペースは遅くなりそうですが隊列・展開は不透明。

休み明けの馬が多く、直近好走して状態よく出走してきた馬が少ない。スローペースで前の方の展開がゴチャゴチャする可能性もあり、オッズ的には『3強』の様相ですが、波乱の目はあるか。

 

注目は春の天皇賞馬ワールドプレミア。

阪神開催だった春の天皇賞は異例の速いペースで流れ、かなりな消耗戦。それを前目で受けて直線差し切り。5歳になって体が出来上がってきた印象を強く受けました。

今回は休み明け、一気の距離短縮という一戦。3歳時の有馬記念古馬一線級を相手にして最後方から着を拾いにゆく競馬しかできませんでしたが、経験を重ねて巡航速度を身に着けた現在ならば中距離戦のペースにも充分対応できるでしょう。東京コースに実績はありませんが、大跳びの走法から広いコースが向かない印象はありません。

稽古はいつも動かない(というかいつもヘロヘロになりながら走ってるように見える)馬なので判断が難しいのですが、見た目の印象以上に時計は出ており、坂路追い切りに変えた効果も見込めそう。

上がり2ハロンのスプリント勝負では分が悪いでしょうが、後半4~5ハロンのロングスパート勝負ならこの舞台でもチャンスがあるでしょう。

 

他では安田記念以来のグランアレグリア

前走では前半行きっぷり悪く後方に下がって終い、終い猛追してタイム差なしの2着。らしくないレースぶりと、流石のトップスピード能力の両方を見せた一戦でした。

今回はリフレッシュしての休み明け初戦。もともと使い込んで良い印象はないので、この馬に関しては休み明けの方が狙いやすいところがあります。稽古も軽快に動けていました。

大阪杯以来2度目の2000m戦になりますが、道悪・コーナー4つの条件よりは、良馬場・コーナー3つの今回の条件の方が向きそうで、4着だった大阪杯よりは好走を期待できます。

名伯楽・藤沢和雄調教師の最後の天皇賞。勝てば歴代最多の7勝目となりますがはたして。

 

◎ ワールドプレミア

○ グランアレグリア

▲ ポタジェ

△ サンレイポケット

 

馬券は4頭のワイドボックスを考えています。

さてどうなりますか。